表 電話番号はサービス別に割り当てられている
表 電話番号はサービス別に割り当てられている
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 0AB~J番号とは,国内の固定電話の電話番号の枠組みを示す言葉である。固定電話の電話番号は,正確には「0ABCDE-FGHJ」と表す。これを省略して「0AB~J番号」と呼んでいる。

 「0ABCDE-FGHJ」の先頭の「0」は,続く数字が市外局番であることを示す「市外プレフィックス」と呼ばれるもの。慣例的に市外局番は「0」から記述するが,正確には市外局番に「0」は含まれない。つまり,東京23区の市外局番は「03」ではなく「3」,横浜は「045」ではなく「45」である。

 市外プレフィックスは,電話局にある交換機が,市外通話か市内通話かを判別するために使う。最初の数字が「0」ならその電話は市外通話,「0」以外の数字なら市内通話というわけだ。

 次の「ABCDE」は「国内あて先番号」と呼ばれる部分で,市外局番と市内局番を合わせたものになる。電気通信事業法や電気通信番号規則といった法律に基づいて,市外局番は都道府県などの地域別に,市内局番は電話会社別に割り当てている。

 最後の「FGHJ」は「加入者番号」だ。加入者番号は,NTT東日本/西日本などの電話会社が加入者ごとに割り当てる。加入者番号を示すアルファベットが「H」から「J」に飛ぶのは,「I」を「1」と間違うのを避けるためである。

 固定電話には,一般の加入電話のほか,ISDNや一部のIP電話も含まれる。ただし,ここでいうIP電話は,加入電話と同様に,(1)電話番号から地域を特定できる,(2)110番や119番への緊急通報ができる,(3)一定の通話品質を満たしている——という三つの条件を満たしたものだけ。例えば,NTT東日本/西日本の「ひかり電話」などのIP電話サービスでは,0AB~J番号が割り当てられている。

 電話番号には固定電話向けの「0AB~J番号」のほかに,「0A0番号」,「0AB番号」,「1XY番号」などがあり,サービスの種類別に割り当てられている(表)。