実行プロセスを管理するために使えるWindows 2000以降の機能。複数の関連するプロセスをまとめて,1つのジョブ・オブジェクトとし,このジョブ・オブジェクトに対して実行の優先順位や使用できるメモリー容量,実行時間の制限などを設定できる。

 Windows NTでは関連するプロセスをまとめて管理する機能がなかったためいくつかの不都合があった。例えば,親となるプロセスが複数の子プロセスを作成して処理を分担しているなどのケースでは,OS自身は親子関係を把握することができなかった。したがって,親プロセスが終了しても,子プロセスが生き残ってしまうという現象が発生する。また,1つの業務を多数のプロセスで処理している場合に,この業務全体の実行優先度を下げるには1つひとつのプロセスの優先度を設定しなければならなかった。

 ジョブ・オブジェクトに対して設定できる優先順位やメモリー使用量,実行時間などの属性はプロセスにもあるが,OSはジョブ・オブジェクトの属性の方を優先する。