従来のインターンシップと異なり、大学が主導的に企業での研修内容の管理運営にかかわり単位の認定も行う、産学連携型の実践的なキャリア教育を指す。

 米国で約100年前に誕生したというインターンシップですが、日本で普及し始めたのはこの10年ほどにすぎません。企業にとっても手探りでの導入が続いてきました。学生にとって得難い経験となり、企業にとっても大いにメリットが生まれた例もあるでしょうが、なかには不心得な企業の存在も聞かれるようになりました。

 インターンシップに参加した学生を無給で働くアルバイトとしてみなす例です。学生は見聞を広めようとして来ていても、長時間の単純作業を押しつけられたり、厳しい営業の現場でノルマを課せられたりといったことがあるそうです。

 こうした課題への解決の1つが、「コーオプ教育」という考え方です。「コープ教育」ともいいます。無報酬で企業が主導するインターンシップと異なり、コーオプ教育は大学がイニチシアチブを取り、企業での研修内容の管理運営を行い単位として認定します。学生は労働に対する報酬を受け取ることもあります。

◆効果
学生へのイメージ向上

 従来、学生はインターンシップの受け入れ先企業を自ら探してくることが主流でしたが、コーオプ教育では大学が学生に企業を紹介します。大学が受け入れ先の企業を探し、その内容を事前に審査するのでトラブルも起こりにくくなります。

 厚生労働省の推定によると、年間12万人の学生が何らかのインターンシップに参加しているそうです。学生にとっては卒業後のキャリアについて考える参考になりますし、企業側にとっては学生と学校への認知度やイメージの向上につながります。採用活動の一環として実施する企業も少なくありません。ほかにも、学生を配置することで職場の活性化につながるといった効果も指摘されています。

 希望すれば全員が短大と大学に入学できる「全入時代」が2007年に迫っています。コーオプ教育の導入は、大学にとっても重要なアピールとなるでしょう。

◆事例
立命館大学が開始

 立命館大学は、2005年度から4~6カ月間にわたるコーオプ教育のプログラムを開始します。学生数人がチームを組み、企業から与えられた課題に取り組むといったものです。理系の学部や研究室で見られる産学連携と異なり、文系の学部でも取り組むことが特色です。例えば、法学部の学生が、企業の法務部から知的財産に関する実際の課題を与えられて解決に向けた調査や研究を行うといった具合です。同大学では、既に関西のいくつかの有名企業との提携に至っています。