ウェブサイトの履歴情報から推察される嗜好や価値観、ライフスタイルなどの心理学的特性によって、利用者をグルーピングする手法。広告宣伝や販売に活用する。

 インターネットで効果的な広告宣伝や販売活動をするためには、ウェブサイトの運用者が利用者をいくつかの消費グループに分類することが有効です。東京に住む消費者がサイトを訪問した時に、都内のバーゲン情報を表示すれば大いに関心を引ける可能性があります。このような消費グループの分類は、居住地域の情報に基づいたものです。

 しかし、消費グループの分類を居住地域や性別、年齢などのデモグラフィック(人口統計学的)特性を使って行うのではなく、嗜好しこうや価値観、ライフスタイルなどのサイコグラフィック(心理学的)特性を使ったほうが効果的なケースも少なくないでしょう。

 サイト利用者の嗜好や価値観、ライフスタイルは、閲覧や検索などの履歴から推察できます。「車好き」「ワイン好き」など、履歴情報を基に利用者を複数の消費グループに分類する手法を「行動ターゲティング」と呼びます。

◆効果
広告費のROIを高められる

 米国を中心に行動ターゲティングをベースとした広告配信サービスを提供する会社が増えています。例えばゴルフに関係したウェブサイトを最近頻繁に見ている人に対し、ゴルフと関係のないサイトを見ている時にもゴルフクラブの広告を表示させます。ゴルフクラブを製造・販売する広告主からすれば、広告費のROI(投下資本利益率)を高められる可能性があるわけです。

◆事例
@cosmeとDACが合弁会社

 昨年12月に、博報堂DYメディアパートナーズなどが出資する広告代理店デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC、東京・渋谷)が、行動ターゲティング広告サービス大手の米レベニュー・サイエンス(RSI)と販売契約を締結。RSIは米国で、ウォールストリートジャーナル・オンライン、ニューズウィーク・インタラクティブなど多くの大手メディアを顧客としています。

 DACは、国内最大級のコスメ情報専門サイト「@ cosme(アットコスメ)」を運営するアイスタイルとの合弁会社を設立。中小規模の専門サイト運用会社を主要顧客と想定し、それら複数の専門サイトをまたがる行動ターゲティング広告サービスを4月から提供します。

 アクティブコア(東京・渋谷)が2月に発売した行動ターゲティング分析ソフト「ac Target」を使えば、通販サイトの商品ターゲティング分析もできます。ショッピングカートにどんな商品が入れられたという情報だけでなく、削除された商品や同時購入商品の履歴まで分析。商品を「売れ筋」「死に筋」「成長機会が高い」「死に筋に移行しかねない」などに分類できます。