Linuxシステムでは,ソフトウエアを「パッケージ」と呼ばれる単位で管理しています。パッケージとは,ソフトウエアのプログラム本体やライブラリ,設定情報などをまとめた1つのファイルです。パッケージによっては,インストールするシステム上に特定のパッケージがあるかないかによって,不具合を起こすことがあります。これを「パッケージの依存」もしくは「パッケージの競合」と呼びます。

 パッケージの依存とは,インストールしようとするパッケージが,特定のパッケージがないシステムでは正しく動作しないことを指します。一方,パッケージの競合とは,インストールしようとするパッケージが,特定のパッケージがインストール済みのシステムでは正しく動作しないことを指します。依存や競合の状態を引き起こす場合には,新たなパッケージをインストールできないことがあります。

 パッケージの依存や競合は,パッケージの種類だけでなく,バージョンによっても生じる場合があります。Linuxシステムには通常,数多くのパッケージが含まれるため,ユーザーがLinuxシステムにどのパッケージのどのバージョンが導入されているかを把握することは難しくなっています。

 ユーザーの負担を軽減するために,多くのLinuxディストリビューションに用意されているのが,パッケージ管理システムです。パッケージ管理システムは,Linuxシステム内に,どのパッケージのどのバージョンがインストールされているかを管理しています。パッケージ管理システムによっては,パッケージの設定情報を見て,不具合が起こる場合にインストールを中止させたり,エラー表示して中断させたりできます。または,依存関係にあるパッケージについても自動的にインストールしたりできます。