コンピュータ・システムにおいて,外部記憶装置に格納されたファイルを管理する仕組みです。

 そもそもファイルは,一定の規則で記録されたひとまとまりのデータです。通常ファイルは,コンピュータの二次記憶装置(ハード・ディスク装置など)に格納されています。コンピュータはさまざまな処理を行うときに,ファイルを開いたり,閉じたり,作成したり,削除したりします。そのため,こうしたファイルの管理は,Linuxをはじめとするオペレーティング・システム(OS)の重要な機能の一つです。

 このファイル管理機能を一般に,ファイル・システムと呼びます。ファイル・システムの役割をまとめると「ファイル群を一元的に管理する機能と,個々のファイルに対して一貫性を保って操作できる機能を,コンピュータ・システムに提供する」となります。

 Linuxで使えるファイル・システムには,ext2ファイル・システム,ext3ファイル・システム,JFS(ournaled File System),XFS,ReiserFSなどがあります。WindowsやMacintoshで使われるファイル・システムの多くにも対応しています。例えば,最近のLinuxディストリビューションは,WindowsのFATファイル・システムやNTFSファイル・システムに対しても,ファイルの読み書きが可能です。

 Fedora CoreやRed Hat Enterprise Linuxでは,ext3ファイル・システムがデフォルト(初期設定)で採用されています。ext3ファイル・システムはext2ファイル・システムの機能拡張版で,データの整合性を保証して信頼性を向上させるジャーナリング機能を備えています。膨大な数のファイルを扱うことの多い大規模システムや,高い信頼性が求められる重要なシステムの構築が可能になるよう,Linuxではジャーナリング機能を備えたファイル・システムの採用が定着しています。