電子商取引(EC:Electronic Commerce)は、インターネットやVAN(付加価値通信網)を利用して、商取引をするもの。企業が一般消費者向けに商品やサービスを提供するBtoCと、企業間で受発注データなどをやり取りするBtoBがある。最近、BtoC、つまり消費者向けECが目覚ましい普及を遂げている。格安で高速なインターネットの常時接続環境が全国に広まり、ユーザー層が急拡大したからだ。
消費者向けECでは、企業がWebページに商品カタログを掲載し、ユーザーがWebブラウザから商品を購入するタイプが代表的。ほかには、オンライン証券取引、個人の所有物を出品できるネット・オークション、ホテルや航空券の予約サービス、銀行の残高照会や振込をするオンライン・バンキングなどがある。
従来、企業がECサイトを構築するには専用のパッケージ・ソフトを利用するのが一般的だった。今は、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)サービスが増え、そのサービスを使って手軽にECサイトを開設するケースが増えている。ASPサービス提供会社として最大手の楽天は、ECサイト運営のコンサルティング・サービスを組み合わせて提供するのが特徴である。
ECサイトで収益を上げるには、まずは顧客にサイトを認知してもらう必要がある。検索サイトやニュース・サイトに「バナー(旗)」と呼ぶ広告を掲載し、これをクリックするとECサイトへ画面が切り替わるようにするのが常とう手段である。
最近では検索サイトの検索結果画面に、内容に連動して広告を表示したり、価格情報を比較するサイトに情報を提供したりする方法が注目を集めている。例えば、検索サイト「グーグル」で「パソコン」というキーワードを入力した検索結果には、パソコンを販売するWebサイトの広告を表示する。単純なバナー広告に比べて、購入に結びつく可能性が高い。価格情報サイト「kakaku.com」は、1円でも安いものが欲しいと思う消費者の希望にこたえるものである。ECサイトの認知度や企業規模に関係なく、価格だけで勝負ができる。
ECサイトのポイントと、クレジットカードのポイントや航空会社のマイルを交換できるようにし、異なる顧客層を取り込む手法も登場した。例えば楽天は今年7月から、同社のサイトのポイントと全日本空輸(ANA)のマイルとの相互交換サービスを始める。
ECサイトでは実際に商品を手に取って見ることができない欠点がある。これを補うために、商品の返品を認める、商品の細部の写真を掲載する、といった工夫をしている。実際に商品を購入したユーザーの感想を掲示板に載せる方法も有効だ。書籍販売などを手掛けるアマゾン ジャパンは、購入者の書評を掲載している。ユーザーは、宣伝文句ではない購入者の生の声を知ることで、購入の判断をしやすくなる。
(坂口)