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BREWアプリのビジネス活用法(その1)

2005/12/08
その他
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 KDDIがau携帯電話のアプリケーション・プラットフォームとして採用している米クアルコムの「BREW」(binary runtime environment for wireless)。現行のau携帯電話で使えるアプリケーション「EZアプリ」は,BREWプラットフォーム上で動いている。

 KDDIのBREW対応は,2003年2月発売の「A5304T」が最初。その後順次対応機種を増やし,現行のEZアプリ対応機種はすべてがBREWに対応している。KDDIはBREWを採用する前には,NTTドコモやボーダフォンと同様にJavaアプリを採用していたが,現在までにJavaからBREWへと完全にシフトした。

写真1 東京都民銀行の渉外支援システム
写真1 東京都民銀行の渉外支援システム
BREWアプリに顧客情報などをダウンロードして営業に使う。当日ダウンロードしたデータは,タイマーで夜には自動消去。紛失時にはリモート操作でデータを消去する。インテグレータは日本ヒューレット・パッカード。

 当初は,高速に処理できるBREWの特徴を強みにして,コンシューマ向けのゲーム・アプリを中心に提供していた。一方でKDDIは,携帯電話に法人向けの業務アプリケーションを搭載するためのプラットフォームとしても着目。携帯電話のCPU高速化やメモリー容量の増大に伴い,実際に多くの業務アプリが使われるようになった。さらに,2005年4月1日に完全施行された個人情報保護法を受けて,端末内に保存したデータをリモート操作で消去できるといったセキュリティ面でのBREWの特徴にも注目が集まっている(写真1)。

 この連載では,BREWアプリをビジネスで活用するためのソリューションを紹介する。1回目は,法人向けのアプリケーション・プラットフォームとしてのBREWの特徴を解説する。

共通APIで機種に依存しないアプリを開発
プロトコルやアプリ容量に制限なし

 BREWは,KDDIが採用した携帯電話の通信方式「cdmaOne」の開発元である米クアルコムが,2001年1月に開発したアプリケーション・プラットフォームである。機能追加を重ねて,現在の最新バージョンはBREW3.1へと進化。CDMA対応携帯電話に広く搭載され,現時点では日本のKDDIも含めて,世界29カ国の56通信事業者,40携帯電話メーカーがBREWを採用している。

 携帯電話の上で動くアプリケーションの主なプラットフォームとしては,BREWのほかにJavaや英シンビアンが提供するSymbian OSなどがある(表1)。Javaは,国内ではNTTドコモが「iアプリ」で,ボーダフォンが「Vアプリ」で採用している。Symbian OSは,ボーダフォンの「Vodafone 702NK」「同II」やNTTドコモの「FOMA M1000」といった,いわゆるスマートフォンが搭載する汎用OSである。

表1 携帯電話向けの主なアプリケーションの特徴
アプリの種類 BREWアプリ
(KDDIのEZアプリ)
Javaアプリ Symbian OS向けアプリ
処理速度 仮想マシン(VM)が不要でネイティブに近い処理速度 仮想マシン(VM)処理のオーバーヘッドが生じる ネイティブ・アプリであり,プロセッサの処理速度をフルに活用
プログラム・サイズ 制限なし NTTドコモのiアプリ:最大100Kバイト ボーダフォンのVアプリ:最大1Mバイト 制限なし
携帯ネイティブ機能の制御 アドレス帳やデータフォルダ内のデータ,内蔵カメラやBlutooth機能,GPS機能などと連携可能 端末内に保存したデータとの連携不可 アドレス帳やデータフォルダ内のデータ,内蔵カメラやBlutooth機能,GPS機能などと連携可能
通信プロトコル TCP/IP上の任意のプロトコル HTTP/HTTPS TCP/IP上の任意のプロトコル
開発言語 C/C++ Java C++/Java

 BREWは,よく対比されるJavaとは違い,専用の開発言語を持たない。アプリケーション開発には汎用言語のCまたはC++を用いる。KDDIは携帯電話上のアプリケーション実行環境とパソコンでの開発環境,アプリケーション配信環境をそろえて提供する。

 携帯電話上のアプリケーション・プラットフォームとして,BREWは共通API(application programming interface)を用意する。このため開発したBREWアプリケーションは,BREW対応携帯電話ならば,基本的にはメーカーや機種に依存せずに,インストールして実行できる。

 BREWのプラットフォームは,Javaのような仮想マシン(VM)を必要としない。仮想マシンのオーバーヘッドが発生しないため,Javaよりも高速な処理が可能である。

 通信プロトコルは,JavaがHTTP(hypertext transfer protocol)/HTTPS(HTTP over transport layer security / secure sockets layer)だけに限定されるのに対し,BREWとSymbian OSはTCP/IP上の任意のプロトコルを利用できる。また通信事業者が用意するゲートウエイを経由しない自由度の高い通信が可能である。

 BREWは,企業利用の場合ではアプリケーションのサイズに制限を設けていないため,より自由度の高い業務アプリケーションの開発が可能である。Symbian OSもアプリケーション・サイズに制限はない。

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