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「ナノセル」と「音声定額」を併用
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公衆PHSサービスで独り気を吐くウィルコム。きっかけとなったのが,2005年5月に始めたウィルコム端末同士の音声通話が定額になる「ウィルコム定額プラン」である。NTTドコモとアステル・グループの新規加入停止やサービス終了が相次ぐのをしり目に,最近半年の月間の契約者純増数は6万〜8万と,以前の“じり貧”状態を完全に脱した。 9月にはフル・ブラウザ搭載PHS端末を4機種,10月にはPHS通信機能を集約した小型のカード型端末「W-SIM」(ネットインデックス製)と,W-SIMを挿して使うPDA(携帯情報端末)型の端末「W-ZERO3」(シャープ製)など3機種を矢継ぎ早に発表。年末商戦に向けて順次発売する。現在の純増ペースが続けば,7年以上も前の1998年7月に記録したピーク加入数361万7000は,2005年中にも更新できる見通しだ。 音声定額プランや端末ラインアップの充実は,コンシューマ向けの戦略でありながら,法人利用も視野に入れている。ウィルコム定額プランを法人規模で使えば,ウィルコム端末間の“内線”通話が全国どこにいても「定額」で済む。ケータイを内線電話端末として使う「モバイル・セントレックス」の一つの形態と言える。ウィルコムは,PHSの内線利用を促進するツールとして,超小型基地局「ナノセル基地局」を使う「ナノセルシステム」も9月に発表した。企業のオフィス内に手軽に設置できる基地局で,ウィルコムの公衆PHSサービスのエリアをユーザー企業の建屋内に広げられる。 ウィルコム定額プランとナノセルを組み合わせると,どのような内線システムを実現できるのか。法人向けにウィルコムが提供するPHSソリューションとは何か。執行役員 経営企画本部長の喜久川 政樹氏に,ウィルコムの目指す法人向けサービスの現状と方向性を尋ねた。 |
——法人向けのナノセルシステムを開発した経緯は。
ナノセルシステムは,2003年ころから対外的に開発を表明してきました。PHSパケット通信サービスの「AIR-EDGE」を対象として,データ通信が集中するビル内などに設置できる超小型の基地局を作るというのが目的でした。当時はウィルコムの前身の「DDIポケット」で,親会社のKDDIとのすみ分けからデータ通信サービスの充実を中心に考えていたわけです。音声を通すためのシステムという考え方はしていませんでした。
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AIR-EDGEのデータ通信サービスは定額で使えるために,ビジネスで多く利用されています。半面,全国の営業担当者を集めた大規模な集会をするといった場合に,その多くの人がAIR-EDGEを使っていて局所的にスループットを確保できない事態も生じていました。会議室やホールなど,利用者が集中しトラフィックのピークが出来る場所に,超小型の基地局を複数設置してスループットを確保する。これがナノセルシステムの当初の狙いでした。
技術的に基地局の小型化を進めていたところ,2004年10月に株主構成が変わることになりました。それまでの「データ通信特化」から,「何でもやっていい」と方向性が一気に変わりました。ナノセルシステムについても同様で,データ通信だけでなく音声を使ったソリューションを提供できるようになったわけです。企業の事業所内にナノセル基地局を適宜配置すれば,構内でもPHSの高品質な音声通話を安定して使えるようになります。