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「プッシュ・ツー・トーク」年内開始
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NTTドコモは10月18日に,第3世代(3G)携帯電話のFOMAの新端末「902i」シリーズを発表。年内の端末発売と同時にプッシュ・ツー・トークのサービスを始めることを明らかにした。続いてKDDIも10月24日に,プッシュ・ツー・トークの仕組みを使った新しいコミュニケーション・サービスを発表した。サービス開始は11月下旬である。
携帯電話によるコミュニケーション・サービスとしては,主に双方向の1対1通信である音声通話とテレビ電話,片方向で複数の相手にも同報で送れるメールが提供されている。これに,片方向ながら同報が可能な音声コミュニケーション手段としてプッシュ・ツー・トークが加わることになる。
サービス開始を目前に控えたプッシュ・ツー・トークの基本的な考え方と,NTTドコモおよびKDDIの新サービスについて,詳しく見ていこう。
パケット通信でVoIP音声をやり取り
交互通話だが一斉同報も可能
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プッシュ・ツー・トークは,トランシーバや業務用無線のように通話ボタンを押しながら話すサービスである(図1)。特に,携帯電話で実現するプッシュ・ツー・トークを「push-to-talk over cellular」と呼び,欧米では「PoC」と略すことも多い。
自分が話している最中でも相手の声が聞こえる電話の「全2重通信」とは異なり,プッシュ・ツー・トークは話者が発言ボタンを押して話しているときは相手の声が聞こえない「半2重通信」である。スムーズに会話を進めるには,同じ半2重通信のトランシーバと同様に,自分の話が終わったら「〜どうぞ」などと言って,相手に発言権を譲る手順が必要になる。
会話の自由度で通常の電話に劣るプッシュ・ツー・トークだが,一方で複数の人と同時にコミュニケーションできるメリットがある。複数の相手を指定してグループでプッシュ・ツー・トークを始めると,発言ボタンを押している話者の音声がグループ内の全員に届く。音声による“チャット”と考えると分かりやすい。
プッシュ・ツー・トークでも1対1の利用は可能だが,利便性をより生かせるのは情報共有や一斉通達などグループでの利用である。パーソナルではグループでのドライブ中の行程連絡などに使えるし,業務用途ならばイベント会場での作業進ちょく管理や派遣・配送(ディスパッチ)業務の一斉同報連絡などで効果を期待できる。
音声通話とプッシュ・ツー・トークは,携帯電話事業者が提供する音声サービスと言えども,立脚するインフラが異なる。音声通話は回線を占有して使う「回線交換」サービスであり,音声通話用の回線交換網上で実現している。これに対してプッシュ・ツー・トークは,複数のデータで通信帯域を共用する「パケット交換」サービスの上で成り立っている。iモードなどのデータ通信パケットと同じ網設備を利用して,音声パケットをやり取りする形態である。インターネットやLANを回線に使うIP電話と同様のVoIP(voice over IP)通信の一種である。
パケット通信を使うため,音声通話とは異なる料金体系で提供できる点も見逃せない。実際,低廉なプッシュ・ツー・トークの料金設定に加え,NTTドコモでは定額料金プランも提供する。