ノート・パソコンやPDA(携帯情報端末)を使って出先で業務を遂行する際に,企業の社内システムやインターネットに接続する“通信環境”は重要なファクタである。公衆無線LANサービスのエリアが広がってきたとはいえ,利用は飲食店や駅など特定の場所に限られる。客先や移動中など不特定の場所でネットワーク接続するには,携帯電話/PHSのデータ通信サービスが依然として強い味方になる。
携帯電話のデータ通信速度は,第3世代(3G)携帯電話の普及により格段に向上した。現在はNTTドコモとボーダフォンが下り最大384kビット/秒,KDDIのau携帯電話では下り最大2.4Mビット/秒もの高速データ通信が可能である。ウィルコムのPHSも負けじと,最大256kビット/秒のサービスを提供。出先でも大きなストレスを感じることなくネットワークを介した業務が可能な環境が整っている。
では,パソコンなどから携帯電話/PHSを利用してデータ通信するときの通信コストはどのくらいかかるのか。携帯電話もPHSも,データ通信サービスはパケット通信が中心。携帯電話のサービスは通信したパケット量に従って料金がかかる「従量制料金」,PHSは一定額の月額料金を払えばパケット量にかかわらず使える「定額制料金」が主流である。通信事業者各社が提供するモバイル・データ通信サービスのうち,パソコンやPDAから使えるサービスの利用料金を詳しく見ていこう。
データ通信「専用」の基本料込みプランと
通話併用向けのデータ通信割引オプション
携帯電話/PHSを使ってパソコンなどからデータ通信する際の料金プランには,データ通信の専用プランと,音声通話などと併用するオプション・プランがある。携帯電話の場合,電話機単体でのiモードやEZweb,ボーダフォンライブ!の利用には,パケット定額プランがある。しかし,パソコンを接続したデータ通信の場合,携帯電話事業者が提供するサービスには定額プランがなく,従量制のプランを選ばざるを得ない。
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写真1 携帯電話/PHSのカード型端末
左上から時計回りに,NTTドコモの「FOMA P2402」,KDDIの「W03H」,ウィルコムの「AX510N」,ボーダフォンの「VC701SI」。 |
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PCカード型やコンパクトフラッシュ(CF)型のデータ通信カードをパソコンのスロットに挿して使う場合は,例外はあるものの「専用」プランを利用できる(写真1)。携帯電話の基本料金を含んだ月額定額料を支払うタイプのプランであり,月額定額料が高額になるほど「無料通信分」に相当するパケット数が多くなる。さらに,無料通信分を超えた月間のパケット通信量に対して,パケット単価が割り引かれる。
一方,音声通話に使う携帯電話をUSBケーブルなどを使ってノート・パソコンにつないでデータ通信するケースでは,多くの場合専用プランは使えない。専用プランでは音声通話やiモードなどの利用ができないことが多いからである。この場合は,音声通話ができる「基本料金プラン」で携帯電話を契約する。
ただし,基本料金プランだとパケット単価が高く,大量のパケット通信をすると請求額が跳ね上がる。例えばNTTドコモのFOMAとボーダフォンのVodafone
3Gは0.21円/パケット,KDDIのCDMA 1X WINは0.105円/パケットである。データ通信のコストを抑えるには,音声通話と併用できるパケット割引プランを使うとよい。基本料金に加えてオプションの月額定額料金を支払うと,パケット単価が割り引かれる。オプションの定額料金は,「無料通信分」としてパケット料金に充当される。