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ライフネット生命保険
スマホ向けサイト刷新、保険の加入件数が2倍に

西村 崇=日経情報ストラテジー 2013/09/26 日経情報ストラテジー
写真1●ライフネット生命保険の堀江泰夫・マーケティング部スマートフォン戦略室室長
写真1●ライフネット生命保険の堀江泰夫・マーケティング部スマートフォン戦略室室長
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写真2●メニューバーの「カートを見る」を際立つ色にして購入できることをアピール
写真2●メニューバーの「カートを見る」を際立つ色にして購入できることをアピール
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写真3●ライフネット生命保険システム部の田中真吾氏
写真3●ライフネット生命保険システム部の田中真吾氏
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 ライフネット生命保険は、スマートフォン向けの保険販売サイトをリニューアルして成果をあげている。スマホを使って保険加入を検討する顧客の使い勝手向上を目指して、2013年4月に大幅に刷新。その結果「スマホ経由での月間申し込み件数が従来の2倍近くに伸びた」と、同社マーケティング部スマートフォン戦略室の堀江泰夫室長は話す(写真1)

 リニューアルに当たってはまず、スマホでアクセスした顧客が、保険を販売するサイトであることをすぐつかめるようにした。

 画面がPCに比べて小さいスマートフォンでは、限られたサイズの画面を通して、一目でどんなサイトなのかを顧客に伝えるのは難しい。かといって、すぐに分かってもらえるようにと「ここで保険買えます」などと明示するのは、表現が直接的すぎる。

 そこでライフネット生命では、EC(電子商取引)サイトで顧客もよく目にするカート機能を追加。画面上部のメニューバーの中に「カートを見る」というボタンを加えたうえで、「ホーム」「おすすめプラン」という他のメニューの緑色とは違う、オレンジ色にして目立たせた(写真2)

 こうすることで顧客の目にも留まりやすくなり、「このサイトでは保険を買えるのか」と認識してもらえる。保険商品の内容を確認したり、資料を請求したりするだけでなく申し込みもできる。それが一目で分かるサイトにしたことが、申し込み件数を伸ばすことにつながっている。

 このカート機能は、条件が異なる保険商品の見積もり結果を保存できるようにするものだ。以前試算した条件の保険を、顧客はすぐに振り返ることができる。

試算を繰り返す楽しさを画面で演出

 このほか「テンポよく操作できない」といったストレスを顧客に与えないように操作性の向上にもこだわった。

 特にこだわったのが、メニューバーで「カートを見る」と同じくオレンジ色にした、保険料の見積もり機能「カンタン見積り」だ。新しいサイトでは、商品選択や条件入力は1つの画面で完結できるようにした。見積もり金額の結果も画面を切り替えずに、同一画面に表示させるようにした。

 その画面では、商品や条件を自由に変えることができ、見積もり保険料の金額も連動してすぐに変わる。「この条件をこう変えると保険料はどう変わるだろうか」。試行錯誤がたやすくできるようにすることで、保険の内容を自分なりに組み立てる楽しさを顧客に届けている。

 試算を簡単に繰り返せるので、「自分にとって必要な内容でしかも支払いに無理がないのはこの組み合わせだな」と納得感ある保険選びを顧客にしてもらえる。

 従来は4種類ある保険商品を選んだり、各商品の条件を入力したりする画面は別々に用意していた。それぞれの画面は表示させるために、インターネット経由でスマホにその都度取り込んでいたので、スムーズに保険を検討できる状況とは言えなかったという。

ストレス与えないアイデアはシステム部門から

 操作性向上の工夫は、申し込み内容の確認画面でも凝らす。顧客がスマホ上で画面をスライドさせることで、複数画面にわたる内容を確認できるようにした。画面をスライドさせるときも、インターネット経由での通信をさせないようにして、顧客にスムーズに操作してもらえるようにしている。

 こういった画面表示の工夫は、堀江室長と一緒にリニューアルを進めた同社のシステム部の担当者からの提案で実現した。提案したシステム部の田中真吾氏は「かつて別のケースでこの仕組みを採用したことがあった。操作性を高めることができたので、今回のリニューアルでも提案した」と話す(写真3)

 このようにライフネット生命では、システム部門の担当者が、マーケティング部門など他の部門の事業企画に、ITの専門家として関わる取り組みを、今年に入って加速させている。

 追い風になっているのが、2013年3月の新しいインターネットフロントシステムの稼働だ。保険契約の申し込み機能と、契約した顧客向けのマイページを提供するこのシステムは、従来はSaaS方式で運用していた。そのため、社内で保守開発案件が立ち上がるたびに、改修を外部のベンダーに依頼する必要があった。

 そこで新しいフロントシステムでは自社で運用し、システム部のメンバーだけで保守開発できるようにもした。「保守開発案件を同時並行で進められるようになった」と、吉見隆史システム部長は話す。

 新フロントシステムの開発は、2012年8月から、田中氏がプロジェクトマネージャーとなって6人で進めた。システムの設計・開発作業はシンプレクス・コンサルティングが担当した。

 田中氏はそれまでアプリケーションの開発担当者を務めていて、プロジェクトマネージャーは今回初めて。「従来システムと同じ機能を実現するだけでなく、新たに加えることになっていた非機能要件の見極めが難しかった」と振り返る田中氏だが、円滑にプロジェクトを進める工夫を凝らし、奏功した。

 1つは、プロジェクトで、開発拠点の分散・集中を使い分けたこと。プロジェクトのフェーズのうち、要件定義から単体・結合テストまでは、ライフネット生命とシンプレクスの2拠点に分散させたが、総合テストに入った2012年11月からは、ライフネット生命に開発拠点をまとめた。

 「単体・結合テストまでは、シンプレクスのメンバーに開発作業に専念してもらえるように、拠点は分散するのがよいと考えた。しかし総合テストでは、シンプレクスのメンバーとのコミュニケーション量が増えると想定。そばで一緒に仕事をしてもらうのがベストだと判断した」と、田中氏は話す。

 ライフネット生命に開発拠点を集約に当たって、田中氏は会社に掛け合って、ライフネット側のプロジェクトメンバーのそばに、シンプレクスのメンバーの席を確保。総合テストで課題が出てきても、コミュニケーションがその場でとれるようにした。

 その配慮もあって拠点をまとめてからの作業も順調に進んだという。「修正が必要な箇所が見つかっても、翌々日には修正が済むといったようにスピードアップを図れた」と、田中氏は振り返る。

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