ポイントはここ!

●プラットフォームの共通化で運用コストを削減

●月額課金のクラウド活用でサーバー資産を「持たない」

日本たばこ産業(JT)

 日本たばこ産業(JT)はたばこと塩を国内で独占的に販売する日本専売公社から、グローバルにビジネスを展開する多角経営グループへと脱皮してきた経緯がある。1985年に株式会社化してから、医薬品分野や食品分野などへの事業進出を加速してきた。

 近年は海外への事業展開を重点的に推進している。たばこ事業では、1999年に米RJRナビスコの米国外事業、2007年には英ギャラハーと大型買収を実施。現在では約120カ国でビジネスを展開している。

 ただ、組織の拡大はコミュニケーションの分断を招きがち。JTも国内事業と海外事業では異なるネットワーク、異なる業務システムを使う体制が続いてきた。ただし従来は「国内事業の組織と海外事業の組織が別々に動いており、組織同士のコラボレーションの必要性があまりなかった」(引地久之IT部長)ため、そのことが経営に影響するほどではなかった。

 しかし現在は国内組織-海外組織間の人事異動が増え、「シームレスにシステムを使ったり、情報共有したりしたいという社内のニーズが高まってきた」(引地部長)。こうした背景から、サーバーなどITプラットフォームの見直しに動いた。