写真1●キャリアシートに記載した情報をタレントマネジメントシステムで管理する
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写真2●IHIエネルギー・プラントセクターの桜井民雄技監
写真2●IHIエネルギー・プラントセクターの桜井民雄技監
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 IHIのプラント部門では、社員350人の人材情報を管理、活用するタレントマネジメントシステムを2013年4月に稼働させた。入社15年目までの若手社員についてはキャリア開発プログラムに活用。本人の希望と部門の人材ニーズをすり合わせながら、人材育成を進める。また全員分の人材情報をプロジェクトの要員計画や工事案件の受注判断にも活用していく狙い。

 同社では2000年前後から、海外でのエネルギーや医薬、セメントなどのプラント工事プロジェクトに積極的に乗り出している。案件の増加に伴ってプロジェクトマネジャーなど専門スキルを持つ社員の計画的な育成が必要になった。エネルギー・プラントセクターの技監を務める桜井民雄氏は「若手の時代から、社員が自らの将来像を考え、必要なキャリアを積めるようにする組織的な支援が不可欠」と判断し、タレントマネジメントシステムの導入に踏み切った。

 入社15年目以内の若手社員を対象に、キャリアシートを作成(写真1)。「建設のスペシャリスト」「専門性のあるエンジニア」など20パターンのキャリアモデルから、自分の希望を選んで人材データベースに登録する。実際の配属部署や担当業務、キャリアモデルの変更などの情報と併せてタレントマネジメントシステムで一元管理していく。プロジェクトへの人員配置を決める際に、これらの情報を参照する。

 また350人の社員のスキルや研修の受講履歴なども人材データベースで管理し、適材適所の人材配置をやり易くする。将来的には人材情報に加え、プロジェクトへのアサイン状況なども管理することで部門全体の人員余裕度を見える化することも計画。プロジェクトの受注に当たって、どのようなスキルを持つ人を何人投入できるかを素早く判断できるようにする予定。タレントマネジメントシステムにはインフォテクノスコンサルティング(東京・新宿)が提供する「Rosic人材マネジメントシステム」を採用した。