写真●花王とカネボウの店頭の様子
写真●花王とカネボウの店頭の様子
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 花王グループの花王とカネボウ化粧品(東京・中央)は、2013年5月下旬から百貨店と総合スーパーの店頭にタッチパネル型の機器で、顧客と画面を見ながら接客できるシステムを順次導入する。このシステムで、例えば百貨店などの店舗で、顧客と美容部員がシステムを活用して互いのスケジュールを調整して継続的にアドバイスを受けられるようにできるという。全国の花王ソフィーナ・エスト約750店、カネボウ化粧品の約1100店の計約1850店で展開する。

 新しい店頭顧客システムは、タッチパネル付きパソコンとWindows7をベースに開発した。キーボードで情報を入力できる。肌測定や解析データなど顧客と近い距離感で共有でき、スピーディなカウンセリングのほか、前回のデータとの比較や過去からの履歴を顧客と一緒にグラフで確認できる。

 これまでの店頭顧客システムは、カネボウ化粧品では主に売り上げ実績管理や、会員管理、美容部員の勤務管理など接客以外の業務をサポートするツールとして機能。一方、花王ソフィーナ・エストでは肌測定や解析、顧客に分かりやすく伝える方法やソフトの充実を模索していたという。

 両社が培ってきた強みを互いに活用し、顧客の購入履歴や肌測定履歴などを確認したり、来店状況を画面で把握して次のアプローチや来店予約などが可能になる。ただ、花王とカネボウ化粧品の店舗はそれぞれ独立して運営され、顧客データは共有しない。

 それぞれ店舗の作りが異なるため、導入した機器は異なる。花王ではパナソニック製パソコンを採用し、回転台の上に置く。カネボウ化粧品は画面が回転する仕組みの富士通製パソコンを採用した。