「無印良品」香港店舗。詳細な商品の動きを一元管理する
「無印良品」香港店舗。詳細な商品の動きを一元管理する
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 「無印良品」を展開する良品計画は2013年8月、「グローバルMD(マーチャンダイズ)システム」を稼働させる。国ごとに構築していたシステムを統合し、単品別の販売、在庫情報を一元管理できる体制を整える。商品調達や在庫管理のスピードを速め、販売機会損失や過剰在庫を防ぐ狙い。

 同社は近年アジアや欧州への海外展開を積極的に推進。2012年11月末の店舗数580店のうち、海外店舗が193店舗を占める。ただし従来は、国や地域ごとに個別の商品管理システムを運用していた。現地の気候や法律に柔軟に対応できる反面、販売や在庫情報をリアルタイムで把握することが難しく、商品供給に遅れが出るなどの課題が生じていた。

 そこで2011年から海外店舗の情報を一元管理できる仕組みの構築に着手。中国で2011年に稼働したMDシステムをベースにグローバルMDシステムの構築に乗り出した。2012年にはシンガポールに導入し、2013年8月に欧州、韓国など主要国で稼働させる。

 「商品データベースを中核に、発注、販売、在庫などの情報を一元管理するMDシステムは当社の生命線としてスクラッチ開発した」と情報システムを管轄する小森孝常務取締役は話す。稼働後は世界各国の情報をダッシュボード形式で一覧できるようになる。この情報をサプライチェーン関連部門と共有し、生産や調達計画に迅速に反映させる。