写真●みずほ銀行個人マーケティング部リモートチャネルマーケティングチームの西本聡調査役
写真●みずほ銀行個人マーケティング部リモートチャネルマーケティングチームの西本聡調査役
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 みずほ銀行は2013年2月7日に個人顧客向けアンドロイド版タブレット(多機能情報端末)専用アプリケーション「みずほ銀行アプリ for Tablet」の提供を始めた。銀行サービスが利用できるスマートフォン用アプリは各行が提供し始めているものの、タブレット向け銀行アプリは珍しい。

 みずほ銀は今後タブレットを持ち歩く顧客が増えれば、パソコンに代わってタブレットのアプリでもプレゼンスを高める必要があると判断。「ホームページを検索するように、アプリでも選んでもらえるようにしたい」(みずほ銀個人マーケティング部リモートチャネルマーケティングチームの西本聡調査役)という。

 アプリは「メインエリア」「金融情報提供エリア」「お役立ちエリア」の3画面構成。画面をスクロールして豊富なコンテンツを一目で見られるようにした。アプリを起動させると、為替相場(公示相場)や売れ筋の投資信託ランキング、金利情報などのコンテンツは最新情報を自動取得。宝くじのキャリーオーバーの情報も自動更新する。一度登録した金利情報などは、ウェブのお気に入りのようにワンタッチで必要な情報を見られるようにした。

 みずほ銀のインターネットバンキングの顧客数は、既に来店顧客数を上回っているという。顧客が銀行店舗に訪れるのは何か用事がある場合に限られるが、ネットを介したサービスは顧客の導線に入りやすい。タブレット向けアプリでは、「銀行は生活密着型のサービス業という原点に立ち返って、技術やデザインだけでなく、インストール後も利用されるよう使い勝手が良くなければいけない」(西本調査役)と、デザインなどと使い勝手のバランスに苦心したという。

 みずほ銀行は2010年11月に「スマートフォン向けバンキング」や、2011年5月に拡張現実技術(AR技術)を用いたスマホ向け「ATM店舗検索アプリ」などを金融業界で初めて提供。これに追随するように、スマホ向けアプリを提供する銀行が増えている。

 みずほ銀行では今後、アプリで利用できる銀行サービスの拡大を検討。さらに、オフラインとオンラインを相互につなぐサービスの拡充も必要とみている。

 例えば、店舗で銀行サービスや金融商品を顧客に提案して自宅からタブレットで取引を始められたり、口座開設が申し込みに必要な情報の入力を店頭に訪れる前にすませて店頭で簡単にできたりする仕組みを検討している。さらには、全店舗での設置を始めている公衆無線LANサービスを活用して、近隣店舗で利用できる銀行サービスのクーポンを配信する仕組みも考えられるという。