写真●IT刷新で効率経営を加速するミサワホームの商品「広い家」
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 住宅メーカーのミサワホームは2014年3月末までに、社内の主要システムをクラウド型に全面移行する。2004年から2006年まで産業再生機構からの支援を受けていた同社は、過去10年ほどIT(情報技術)投資を事実上凍結。自社で開発・運用していた従来システムの老朽化が進んだことなどから、基幹系システムの刷新に踏み切った。プロジェクト総投資額は29億円という。

 ミサワホームの宮本眞一情報システム部長は、「今後の成長を支える新しい情報インフラをできるだけ早く整備する」と意気込む。クラウド型を採用した理由は、ミサワホーム標準のシステムを作り、グループ約40社に素早く展開するためだ。ITコストの抑制も狙う。クラウド型に移行した後のITコストは、産業再生機構の支援を受ける前の1990年代の約6割になると見込んでいる。さらにグループ連結決算の早期化も図る考えで、現在の45日から25日に短縮するという。

 クラウド型に移行するシステムは、人事や営業支援、会計、資材管理、販売管理など。人事システムはワークスアプリケーションズの「COMPANY」、営業支援システムはソフトブレーンの「eセールスマネージャー」、会計システムはNTTデータの「ビズインテグラル」、資材管理はIFSジャパンの「IFS Applications」をそれぞれ導入し、クラウド環境で動かす。

 基幹系システムの刷新に伴い、データ分析システムも再構築する。新システムとの親和性を考慮し、DTSのデータ分析ツール「データスタジオ」を採用する。「情報インフラの整備だけでなく、データ利活用の促進にも力を入れていく」(宮本部長)。