写真●日本通運が2012年11月から本格運用しているiPadを使った引っ越しの見積もりシステム
写真●日本通運が2012年11月から本格運用しているiPadを使った引っ越しの見積もりシステム
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 日本通運は2013年夏をメドに、引っ越しにまつわる情報を一元管理する基幹システム「Celeve(セレブ)」(通称)を刷新する。すでに米アップルのiPadを活用し、引っ越しの見積もりを効率化するシステムを導入済み。セレブの刷新で、引っ越しの入り口から出口までをIT(情報技術)で支援する体制が整う。

 「引っ越しの受付担当者やプランナー、法人の窓口担当者が必要な情報をすぐに取り出せるようにし、お客様に対するサービスの向上につなげたい」。日通の片場浩司引越営業部係長はセレブを刷新する狙いをこう話す。

 セレブは顧客情報や引っ越しの作業手配、売り上げを一括して管理する機能を備える。今回のシステム刷新で、機能追加を繰り返して複雑になったり、バラバラだったりした仕組みを整理する。これにより、引っ越しの担当者が顧客に関する多様な情報にすぐにアクセスできるようになる。社員の業務効率を上げるだけでなく、CS(顧客満足)も高める効果を狙う。

 これに先立ち、2012年11月から、iPadを使った引っ越しの見積もりシステムを本格運用している(写真)。「唯一、IT化できていなかったのが、見積もりの部分だった。タブレット端末の普及で、IT化できると考えた」(片場係長)。日通はこのシステムを導入することで、引っ越しの見積もりに関わる時間を25%ほど削減できると見込んでいる。

 当初は、引っ越しの見積もりシステムと同じタイミングでの刷新を検討したが、IT担当者や現場の負担が大きいと考え、段階的な導入を決めた。システム基盤も合わせて入れ替える予定だ。国内の大手ITベンダーがプロジェクトを支援している。