AIU保険は2012年2月から段階的に、傷害保険の契約者からの保険金請求に伴う帳票処理を国内業者にBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)してきた。そして同12月までに約10%の業務効率化に成功した。

 契約者から送られてくる保険金請求に必要な帳票や医師の診断書、医療機関からの領収書といった各種書類をBPO先で全て電子化し、それをAIUは受け取る。紙の帳票を無くしてペーパーレスを推進するとともに、データ入力の手間を省く。

 こうして保険金支払いの担当者は顧客対応に集中。1日でも早く保険金を支払えるように、処理スピードを上げていくのが狙いだ。

 AIUがBPOのパートナーに選んだのは富士ゼロックス。両社は2009年から保険金請求の帳票フォーマットの見直しや帳票の印刷と発送の業務でBPOに取り組んできた。こうした付き合いをきっかけにして協力関係を築き、2012年に入るとBPOの範囲を拡大した。

 今では発送業務だけでなく、発送後の書類の受領・開封から、記入漏れや間違いといったチェック業務、届いた帳票を毎日スキャンして保存する電子データ化、そしてAIUの基幹システムへの登録まで、富士ゼロックスが請け負っている。

 これまでAIUは、必要な帳票を契約者に発送した後に発生する業務処理は、全国にある各拠点で個別に受け持ってきた。しかし、書類の開封や封筒の管理、データ入力などは保険金支払いのコア業務とはいえない。ここを抜本的に見直すことにした。

 BPOを推進してきた損害サービス統括部の東心マネージャーは「契約者への連絡や支払いのための審査といったコア業務に担当者の時間を割きたい。お客様対応を強化するため、BPOの委託範囲を積極的に広げた」と話す。