損保ジャパンが開発した損害保険説明用アプリ
損保ジャパンが開発した損害保険説明用アプリ
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 損保ジャパンは4月から代理店向けにタブレット端末で保険ニーズ喚起ができる7種類のアプリなどの提供を始めた。従来は保険商品の全体像を説明するチラシや商品パンフレットといった資料はあったものの、代理店によって得意分野や商品知識などが異なり契約も左右されやすかった。タブレット端末向けのアプリを活用すれば、どの代理店も均一に分かりやすい提案や説明をすることでニーズ喚起できると見て、2011年12月から開発を進めてきたという。まずiPadを活用している代理店向けにアプリを用意し、今後はアンドロイド版アプリも提供。2012年6月にアンドロイド版タブレット端末の貸与も予定している。

 提供するアプリのうち、個人の主な保険商品のニーズ喚起をしやすくする「個人グルリ」は、自動車保険やゴルファー保険、旅行傷害保険など14種類の商品を網羅。最初の画面で個人を取り巻くリスクと対応する保険商品を円形で見せて、円の内側を押すとリスクに対応する保険商品の概要をQ&A形式などで紹介。契約をまとめると費用を安くできるといった説明をしながら、同社の保険の特徴を紹介する。円の外側を押すと個別商品を説明するパンフレットに移る。顧客がすでに加入している保険や、家族構成や自動車の保有の有無といった条件指定をすると対象外の商品はグレーダウンさせて無駄な説明に進まないようにした。

 また法人向けの「法人グルリ」では、企業を取り巻くリスクに対応する火災保険や賠償責任保険など18種類の商品を網羅。保険の見直しポイントというボタンを押すと、例えば個別に契約されている運送保険などを物流総合保険にまとめれば保険料も抑えられるという説明ができる。その上で個別商品のパンフレットに移り、本格的な提案のきっかけづくりに活用できるようにした。

 さらに同社は事故の被害にあった際のシミュレーションを見せてニーズ喚起につなげる「もし事故」というアプリも開発。「個人グルリ」「法人グルリ」「もし事故」の3つは600万円のシステム投資を費やして同社が独自に開発した。

 このほか自動車保険の保険料を試算して商品内容を説明する「自動車保険料らくらく試算ツール」や、同社の基幹代理店システム「SOMPOJ-NET」の主要機能をタブレット端末で利用できるアプリも外部に委託して開発。個人用火災総合保険や年金払積立傷害保険の試算がインターネットを通じてできる同社のツールにアクセスするショートカットアイコンも用意した。4月末には現在では紙ベースの帳簿類をすべて見られるアプリの提供も予定している。