大型オフィスビル内に複数の弁当店を集めた店舗「屋台DELi(デリ)」を展開する事業を手がけるワオ(東京都港区)は、会議用弁当のポータル(玄関)サイトを4月に開設する。同サイトを通じて提携先の弁当店への注文を受け付け、さらに顧客への宅配や資金回収といった弁当宅配に伴う業務を弁当店から受託する事業に本格参入する。

 ワオはここ1~2年ほど、社員食堂などへの出店に力を入れてきた。すると出店先の企業の総務担当者らから、会議用弁当の手配を求められる機会が増えたという。そこで価格帯や社内会議用、接待用といった目的に合った弁当店を探せるポータルサイトを開設することにした。ワオの浦谷明代表取締役社長は、「全ての弁当店の合計で1日当たり300万~400万円の売り上げが見込める」と語る。同社は受注した分量の弁当を弁当店から買い取り、その後の配達や事務処理を代行。顧客から代金を受け取り、それを収入とする。提携先は数10を見込む。

 会議用弁当の宅配事業は多数の弁当店が自前で手がけているほか、楽天やぐるなびといった大手ネット事業者が受注用ポータルサイトを運営している。競争の激しい市場だが、浦谷社長は勝算は十分にあると自信を見せる。

 まず個々の弁当店に対しては、ポータルサイトならではの強みが生きるという。「多数の弁当店の情報が集まった専門サイトの方が顧客にとって利便性が高いだけでなく、検索サービスに対する最適化が容易だ」(浦谷社長)。つまりヤフーやグーグルといった検索サイトでの検索結果が個々の飲食店よりも上位に表示されやすく、それだけ顧客の閲覧が増えるというわけだ。顧客がワオのポータルサイトを閲覧するようになるにつれて、自前で宅配を手がける飲食店の登録も増えると予測する。

 一方、他社のポータルサイトとの差異化については、屋台DELiの事業で培ってきた業務代行のノウハウが武器になると語る。「他社のサイトでは受注後の処理を弁当店任せにしているなど、弁当店にとって利便性が低い」(浦谷社長)。ワオは注文から資金回収まで一括して受託できることから、比較的規模が小さい弁当店が参加しやすいという。参加する弁当店のバリエーションが広がれば、注文する顧客にとっても魅力が高まるとみている。