Meiji Seikaファルマは2011年7月、iPadで動作するPDFリーダー用のアプリケーションを独自に開発した。MR(医薬情報担当者)が医師に薬剤を紹介する際、その薬剤の情報を記載した添付文書を見せるなどの用途で利用する。

 同社では、2011年1月のiPad導入当初から、商用のPDFリーダー用アプリケーションを使っていたが、その使い勝手についてMRから不満が上がっていたという。代表的なのが「ファイルの更新データをダウンロードする際、待ち時間が長く感じる」といったものだ。

 以前に利用していた商用アプリケーションでは、「どのファイルが更新対象で、あとどれくらいでダウンロードが終わるかが分からなかった」(Meiji Seikaファルマの吉田優 医薬情報管理部部長)。そのため、例えば、「医師へすぐに訪問したいときに、必要かどうか分からない更新操作をしなくてはならない」といったケースがあったという。

 新たに開発したアプリケーションではこの問題を解消するため、「どのファイルに更新があるかをダウンロード時に分かるようにした」(吉田部長)。この結果としてMRからは、「すぐにダウンロードする必要があるファイルかどうかが判断できるため、適切なタイミングでダウンロードを実行できるようになった」「ダウンロードにかかる時間が体感的に短くなった」といった評価を得ているという。

 新アプリケーションでは、ダウンロードに関する機能のほか、PDFのページめくりにかかる処理時間を短縮するなどの改善を図った。動画の閲覧機能もあるため、新薬をプレゼンテーションする際などにも利用できる。