図●三井住友海上火災保険の「SPM(Support Process Management)」の画面
図●三井住友海上火災保険の「SPM(Support Process Management)」の画面
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 MS&ADインシュアランス グループホールディングスの三井住友海上火災保険は2010年9月、自動車保険における保険金の支払いを支援するシステム「SPM(Support Process Management)」の新機能を追加した。保険の事務処理に関わる仕事を割り振る際に、現場の責任者が「直近の仕事をどのスタッフに割り振ったか」を確認できるようにした。

 新機能の狙いは、仕事の分配に対するスタッフの不平等感を無くすことだ。「仕事の割り振りが平等ではない気がする」「責任者は自分の仕事量を把握しているのか」。スタッフがこうした不満を持つと、モチベーションの低下につながり、業務効率が下がる。

 SPMは2009年9月の稼働当初から、仕事の割り振りを支援する機能を搭載していた。スタッフ一人ひとりがこなした仕事量を表示したり、最適な仕事の割り振り案をシステムが自動で提案する、といったものだ()。新機能は、これらを補完する機能で、責任者が特定の担当者に連続して仕事を振ってしまう、といったケースを防ぐことができる。

 ある自動車事故案件の事務処理を例に、SPMの使い方を説明しよう。

 まず、SPMが各スタッフのスキルや担当分野などに応じて、最大五つの割り振り案を画面中央に示す。責任者はその案を見ると同時に、各スタッフがその日どれだけの仕事をしているかを画面右側の数字から確認する。さらに、各スタッフに直近の仕事を割り振った時刻を画面左側の数字から確認する。これら三つの情報により、特定のスタッフに作業が集中したり、一人に連続して仕事を割り振ったりするのを防ぐ。

 MS&ADグループのシステム開発会社であるMS&ADシステムズの吉田智之 自動車損害サポートグループプランナーは「責任者は納得感を得ながら仕事を振ることができる」と強調する。