ポイントはここ!

●バーチャルシャーシ構成のスイッチ導入で耐障害性強化と管理負荷低減

●映像伝送の安定性確保のためインターネットVPNを閉域網に切り替え

 静岡県を対象にテレビ放送事業やその関連事業を営む静岡第一テレビ。同社は地震などの災害に備え冗長性を高めたネットワークを運用している。このネットワークは、放送用の基幹システムを支えるインフラである。「1秒止まれば大事故」とされる放送事業においては、災害や障害に備えたBCP(事業継続計画)は重要なテーマ。そこで2010年9月、コア/フロアスイッチを置き換えつつ、10Gビットイーサネットを中心とするネットワークを新たに構築した。

 具体的には、新しいコア/フロアスイッチには米ジュニパーネットワークスの1Uサイズのイーサネットスイッチ製品「EX4200」を利用している(図1)。採用の決め手は、複数の物理スイッチを接続して1台の論理スイッチとして運用する「バーチャルシャーシ」構成が可能なことだった。バーチャルシャーシ構成にすることで、機器の冗長化による耐障害性強化と管理負荷低減を両立できると考えた。

図1●静岡第一テレビのネットワーク構成<br>コア/フロアスイッチをバーチャルシャーシ構成可能な「Juniper EX4200」に置き換え、耐障害性と管理負荷の低減を実現した。スイッチは、報道フロアでもバーチャルシャーシ構成にしている。
図1●静岡第一テレビのネットワーク構成
コア/フロアスイッチをバーチャルシャーシ構成可能な「Juniper EX4200」に置き換え、耐障害性と管理負荷の低減を実現した。スイッチは、報道フロアでもバーチャルシャーシ構成にしている。
[画像のクリックで拡大表示]

 東日本大震災の後、多くの企業がBCPの見直しに注力している。ネットワークの構成変更やネットワーク機器の冗長化は、BCP強化の定石として挙げられる項目の一つ。静岡第一テレビの例は、BCPのためにネットワークを見直そうと考えている企業にとって参考になるはずだ。