ベネッセコーポレーションは同社小学生向け通信教育サービス「進研ゼミ小学講座」について、情報システムを使ったデジタル化を進めている。2011年3月末、進研ゼミ小学講座のサービスと業務を支える新システム「Akane(あかね)」を本稼働させた。
進研ゼミ小学講座は、2011年4月時点で約180万人の会員が受講している。会員が自宅で作成した答案をベネッセに郵送すると、約1万人の「赤ペン先生」が会員の答案に添削指導をしてくれる。赤ペン先生は答案を添削指導する指導員で、ベネッセと業務委託契約を結んでいる。
新システムのAkaneは、答案の受付から返却に至るプロセスを、情報システムとインターネットを使った仕組みでデジタル化する、というもの。これにより実現したのが、「ネット返却」という会員向けの新サービスである。小学校5年生と6年生の会員を対象としたもので、会員による記入済みの答案がベネッセに到着した後、1週間以内で添削指導した答案を閲覧できるようになる、というのが大きな売りである。
新システムではペンタブレットを使った採点ソフトを導入した(写真1)。赤ペン先生による添削指導、つまり「手書きの赤入れ」が、紙そのままに画面上の答案に反映される。

さらに会員側のPCでは、その手書きによる赤入れの様子が、動画で確認できるようになっている(図1)。算数の答えの導き方や、漢字の書き順で注意すべきポイントなどが、赤ペン先生による赤文字や線の動きを交えながら表示される。