ポイントはここ!

●携帯電話からシンクライアントで社内のパソコンにアクセス

●セキュリティ確保のために2重3重の認証を導入

 ごみ焼却施設や水処理施設の建設、サポート業務、淡水化や発電プラントの設計・開発、製油プラント用のプロセス機器の製作など、多岐にわたる事業を展開する日立造船。社名に“造船”が含まれるが、現在では造船事業は本社から切り離され、エンジニアリング本部、機械・インフラ本部、精密機械本部の3分野で事業を展開している。

 このうちのエンジニアリング本部に属する環境ソリューションビジネスユニット(以下、環境ユニット)は、同社が建設した全国約220カ所のゴミ焼却施設のメンテナンスやサポート業務を担う組織。約260名のメンバーが、北海道から九州までの施設を支えている。

 そんな環境ユニットでは、外出先でも機動的に業務を進められるように、2004年からモバイルを活用したシステムの構築を進めている。同社は事業が多岐にわたるため、全社共通の情報システム基盤を用意する方針は取っていない。各ビジネスユニットの事業計画に基づいて、必要なシステム基盤をユニットごとに用意している。

 2010年3月には、NTTドコモのQWERTYキー付きのiモード端末「SH-04A」を約110台導入。端末から社内にリモートアクセスし、社内のパソコンの画面を携帯端末に表示させて操作するシンクライアント環境を構築した(図1)。当時は既にスマートフォンという選択肢もあったが、環境ユニットでは現場でのiモードメール利用にこだわり、あえてフィーチャーフォンを選んだ。

図1●日立造船が構築した携帯電話を使ったリモートアクセス環境<br>現在の形は2010年3月に完成した。災害時の教訓から、モバイルの機動力を生かした仕組みを検討。専用アプリを使って携帯電話から社内LANにアクセスし、社内のPCを遠隔操作できる環境を構築した。
図1●日立造船が構築した携帯電話を使ったリモートアクセス環境
現在の形は2010年3月に完成した。災害時の教訓から、モバイルの機動力を生かした仕組みを検討。専用アプリを使って携帯電話から社内LANにアクセスし、社内のPCを遠隔操作できる環境を構築した。
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