日本ビューホテルは5月1日、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を採用し、基幹系システムを刷新した。採用したSaaSは、NECが提供する「ホテル総合クラウドサービス」。同SaaSが持つ、宿泊や宴会などの予約を管理する「営業系システム」の機能と、売上分析や会計などの「管理系システム」の機能を利用している。

 刷新を機に、主要ホテルごとにバラバラに導入していた基幹系システムを一つに統合した。これまでは、合計五つの基幹系システムが稼働していた。例えば、東京都の「浅草ビューホテル」では独自開発のシステム、群馬県の「高崎ビューホテル」では東芝製パッケージ、千葉県の「成田ビューホテル」ではNEC製パッケージを使っていた。ホテルごとに導入時期や求められる機能が異なっていたためだ。

 しかし、「システム管理の手間を考え、一つに統合することにした」(渡辺淳業務改革IT推進室長)。基幹系システムの統合に当たり、各ホテルで異なっていた業務プロセスも標準化した。

 ベンダー選定を開始したのは2009年10月。合計6社のSIerやパッケージベンダーに提案を依頼した結果、NECを選んだ。営業系と管理系のシステム機能を両方備えていることと、SaaS形式でシステムを利用できることが決め手だった。

 新基幹系システムは、ホテルごとに順次利用を開始した。まず、2011年3月1日に浅草で利用を始めた。その後、震災の影響で当初の予定から遅れたものの、5月1日に全ホテルへの展開を完了した。