静岡県内の中核病院や診療所間で、電子カルテ情報などを共有するシステムを構築した。複数の組織がシステムを共同利用するコミュニティークラウドの形態をとる。2011年2月に3中核病院と13診療所が試験利用を始め、4月に本稼働させた。

 2016年度までに県内の27中核病院と210診療所が利用する計画である。各病院が電子カルテ情報を共有できるので、主に初期医療を担う診療所と、専門医療を担当する中核病院間で一貫した医療サービスを提供できるようになる。

 大規模災害時に、他の病院から受け入れた患者の診療情報をオンラインで確認することも可能。従来、紹介状を紙やファックスでやり取りしていたが、電子データの送受信で行える。各病院のシステムとの通信は、IPsecでデータを暗号化して安全性を高める。富士通が自社のパッケージソフトを使って構築を支援した。