ユニクロが開設した「UNIQLOOKS」のトップページ
ユニクロが開設した「UNIQLOOKS」のトップページ
[画像のクリックで拡大表示]

 ファーストリテイリング傘下のユニクロは2011年3月中旬までに、同2月に開設したフェイスブックと連動するファッションのコミュニティーサイト「UNIQLOOKS」で、1カ月間に約6万件の「いいね!」を獲得したことを明らかにした。UNIQLOOKSの利用者はユニクロが販売するTシャツ「UT」などの商品を着て撮影した自分の写真をUNIQLOOKSに投稿したり、他の人の写真を閲覧できたりする。気に入った写真があれば「いいね!」ボタンを押し、コメントを書き込むと、世界最大のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)であるフェイスブックに反映される。

 「いいね!」のクリック数などに応じて投稿した写真に順位がつき、人気が高い写真はUNIQLOOKSのトップページに表示される。過去1カ月間での写真の投稿はグローバルに広がっており、ユニクロを展開する日本や中国、ロシアなどに加え、タイやフィリピン、イタリアなど15カ国以上に及ぶ。

 UNIQLOOKSはユニクロの商品販売サイトとも連動しているため、利用者は気に入った写真をクリックして、その場から商品を買うこともできる。例えば、気に入った写真の帽子をクリックすれば、販売サイトのアクセサリーページに自動的に移動するといった具合だ。販売サイトは現在、日本の他、英国や中国などで展開している。

 「UNIQLOOKSに顧客を誘導する仕掛けを作ることで、フェイスブックを使っている世界の約6億人の利用者を取り込みたい」(ユニクログローバルコミュニケーション部広報プレスチームの長谷太介氏)。UNIQLOOKSは現時点では日本語や英語など6カ国語に対応している。

 近くユニクロは、UNIQLOOKS専用のiPhoneアプリケーションを投入する予定だ。このアプリケーションをダウンロードすれば、iPhoneのカメラで撮影した写真をUNIQLOOKSに素早く投稿でき、閲覧もできるようになる。現状はデジタルカメラなどで撮影した写真をパソコンからUNIQLOOKSに投稿するケースが多く、多少の手間がかかる。

 ファーストリテイリングは2011年8月期に売上高8460億円を見込んでいる。そして2020年には現在の約6倍に当たる売上高5兆円の達成を目標に掲げる。「利用者が能動的にかかわるSNSという新しいメディアを積極的に使うことで、現在は売上高の約15%にとどまっている海外比率を拡大するきっかけにしたい」(長谷氏)という。