東京・原宿にある「ザ・ノース・フェイス」の基幹店で、iPadを使った接客をする様子
東京・原宿にある「ザ・ノース・フェイス」の基幹店で、iPadを使った接客をする様子
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 スポーツウエアやアウトドア用品を展開するゴールドウインは2010年末までに、主力ブランド「ザ・ノース・フェイス」を扱う直営店の4カ所に米アップルのiPadを1台ずつ、合計4台を配備した。同社の書き入れ時である冬物衣料の接客に利用し始めており、情報端末に興味がある若い顧客などに好評だという。

 今回iPadを導入したのは東京と北海道にある基幹店の4つ。これらの店舗は品ぞろえが豊富だが、それでも店内に全ての商品を陳列できているわけではない。最近は「山ガール」などの人気でアウトドア用品もカラーバリエーションが増えてきている。店頭の展示品以外にも色の種類があることも多いので、そんなときはiPadの中に用意した電子カタログを見てもらいながら、顧客に紹介するようにしている。これなら分厚い商品目録などを持ち歩いて、店頭で見る必要がない。

 iPadの導入が早かった店舗では既に1カ月ほどの利用実績がある。最も効果を実感できているのは、テントのような大きな商品を顧客に説明する時だ。テントは種類が多いが、顧客は商品名を覚えていることが少なく、該当商品は目で見て確認しなければならないことがほとんどである。だが店内に展示できるテントは店頭スペースに限りがあるので1~2種類に限られてしまう。

 そこでテントを買いに来た顧客にはまずiPadの電子カタログで商品を確認してもらい、気になった商品の実物だけをバックヤードの倉庫から持ってきて広げて見せることにした。以前は何種類も倉庫から持ってきては店舗の外で広げて見てもらうこともあり、手間がかかっていた。

 テントのようなアウトドア用品は、使用時の組み立て方やしまい方の説明も接客では重要になる。iPadがあればページをめくるように順序立てて視覚的に分かりやすく説明できるので、「顧客の理解が早まった」(原宿店)という。