ポイントはここ!

●仮想ホスティングサービスを活用、サーバー台数は3分の1、性能は10倍向上

●将来の刷新に備え、柔軟性を確保し、検証・メンテナンスの自由度を向上

 テレビCMを中心に通信販売を展開しているオークローンマーケティングは2010年1月、通販ブランドごとに分けられたショッピングサイトのシステムを、サーバー仮想化技術を使って一つのロケーションに統合した。

 最大の目的は、Webサイトの性能を改善すること。さらに追加と削除が容易な仮想サーバーによるホスティングを使うことで、将来のシステム刷新に備えた構成の柔軟性も確保した。サーバーリソースをハードウエアと切り離して使えるクラウドならではの利点を生かした例といえる。

 オークローンマーケティングは現在、3種類のブランドを運営している。清掃家電やキッチン用品などが中心の「ショップジャパン」、エクササイズの「エクサボディ」、ダイエットフーズを扱う「ヒルズコレクション」である。それぞれにWebサイトとテレビショッピングの両方を展開。コールセンター経由で受け付けたテレビショッピングの注文と、Webサイトで受け付けた注文を、基幹システムで処理する構成である(図1)。

図1●オークローンマーケティングのネットワークの概要<br>自社データセンターの基幹システムに、コールセンターやECサイト、配送センターなどを広域イーサネットで結ぶ形態。受注データや音声のため、主要拠点のアクセス回線はバーストイーサアクセスを使い、最低帯域を確保する。
図1●オークローンマーケティングのネットワークの概要
自社データセンターの基幹システムに、コールセンターやECサイト、配送センターなどを広域イーサネットで結ぶ形態。受注データや音声のため、主要拠点のアクセス回線はバーストイーサアクセスを使い、最低帯域を確保する。
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 もともと同社の売り上げの7割はテレビCMと連動した電話受注によるもの。ただ、テレビCMの反響でこの3年くらいでWebサイトへのアクセスが集中するようにもなっていた。これに耐え得る環境を求めて、仮想サーバーホスティングサービスを採用。結果として、合計のサーバー台数を従来の3分の1としながら、1時間当たり34万ページビューと、従来の10倍以上の性能を実現した。サーバー台数の集約でコストも約3割減らすことができた。