ポイントはここ!

●サーバーの仮想化に伴う性能劣化に備えLANを見直し

●拠点に残るファイル・サーバーを集約,WAN高速化装置で性能を確保

 酒類,飲料・食品,医薬品など多岐にわたる事業会社を傘下に持つキリンホールディングスは,「プライベート・クラウド」としてシステムを運用している。資本提携したメルシャンのシステムを含め,グループ会社のシステムの大半を2カ所のデータ・センターに集約。全国に散らばった約500拠点から利用している(図1)。

図1●キリンホールディングスのネットワーク<br>データ・センター2カ所とホスティング・サービスを使い分けている。第1センターのWidows/Linux向けパッケージを使っているサーバーは基本的に仮想化の対象。現在,全サーバーの3割程度が仮想化環境にある。
図1●キリンホールディングスのネットワーク
データ・センター2カ所とホスティング・サービスを使い分けている。第1センターのWidows/Linux向けパッケージを使っているサーバーは基本的に仮想化の対象。現在,全サーバーの3割程度が仮想化環境にある。
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 サーバーは,メインフレームをはじめとする業務システム,グループウエアやポータル,メールなどの情報系システムなど全体で700台程度ある。仮想化技術を駆使しているため,一つの仮想マシンを1台とカウントすれば,総サーバー数は約1000台に上る。

 拠点とデータ・センターを結ぶネットワークは,メイン回線がNTTコミュニケーションズの「Arcstar IP-VPN」,バックアップ回線がNTT PCコミュニケーションズの広域イーサネット「ブロードバンド・イーサ」である。