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事例データベース

丸紅
社内クラウド視野にサーバーを統合

IT資源とIT人材の供給源を目指す

Enterprise Platform編集部 2010/01/19 日経コンピュータ
出典:日経コンピュータ 2009年12月23日号96~97ページ
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 丸紅がプライベートクラウドの構築に本格的に取り組み始めた。2008年に始動した情報系のシステム統合が完了したことを受け、基幹系を含む全社プラットフォームを整備する。現場担当者をサーバーなどコンピュータリソースの調達から解放することで、業務の高度化・効率化を徹底するのが目的だ。

 2009年11月の半ば、丸紅の情報企画部長である白石寿太郎氏は経営会議に臨み、プライベートクラウドの構築に本格着手することを説明し、了承を受けた。

 経営会議で白石部長は、「アプリケーションごとにサーバーを用意する方法は、単にサーバーを積み上げているだけでコスト高だった。サーバーを集約し、必要なときに必要な能力を割り振りながら提供するのがクラウドだ」と説明した。この言葉を受け役員たちはゴーサインを出した。

まず情報系を仮想化技術で統合

 丸紅におけるプライベートクラウド構築案件がすんなりと承認された背景には、情報系システムが稼働しているサーバー環境の統合プロジェクトが2009年3月にひとまず完了し、その後も順調に稼働してきたことがある。

 この統合により、ハードウエアコストと、その保守費用、および消費電力は従来の30%を削減。サーバーの設置スペースについては60%を削減できたという。情報企画部の菅藤透副部長は、「これまでもバックアップの仕組みを統合するなどで運用コストの削減に取り組んできた。今回のサーバー仮想化により、さらなる効果が得られている」と話す。

 統合したのは、1990年代後半から順次構築してきたイントラネットや、ナレッジマネジメント、eラーニングといったアプリケーションのサーバー群である。「ライフサイクルがずれたままのシステムを使い続けることは、業務面でもコスト面でもムダが多い」(白石部長)との判断から、減価償却前のシステムを含め、仮想化技術を使って環境を統合した(図1)。

図1●丸紅は、プライベートクラウドを視野に仮想化環境に移行した
図1●丸紅は、プライベートクラウドを視野に仮想化環境に移行した

 サーバー環境に採用したのは、日立製作所製ブレードサーバー「BS 1000」である。同サーバーが持つ仮想化機構「Virtage」により、30台弱あったWindowsサーバーを4ブレードに集約した。4ブレード中1ブレードは開発・検証用だ。また予備サーバーを使った「N+1コールドスタンバイ」を実現し、サーバー環境全体の信頼性を高めてもいる。

 並行して、ワークフローやID管理などのアプリケーションについても刷新した。

仮想化特化の技術者育成はリスク

 丸紅が情報系のサーバー環境統合を検討し始めたのは2008年の初めのこと。2008年度(2009年3月期)から2010年度までの3カ年で進める情報システム刷新計画の一環だ。

 同計画においては、(1)BCP(事業継続計画)や電話網を含めた全社インフラの見直し、(2)1999年に導入した独SAP製ERP(統合基幹業務システム)システムの最適化、(3)業務の高度化・効率化、の三つをテーマに掲げる。

 全社インフラを見直すなかで、まず情報系のサーバー統合に着手したわけだ。IT会社4社に対しRFP(提案依頼書)を出したところ、3社が米ヴイエムウェア製品による統合を提案、残り1社がVirtageを持つ日立だった。米マイクロソフト製の「Hyper-V」は当時、まだリリースされていなかった。

丸紅 情報企画部の白石寿太郎部長(左)と菅藤透副部長(右)
丸紅 情報企画部の白石寿太郎部長(左)と菅藤透副部長(右)

 だが、いずれの選択肢も「プライベートクラウドを視野に入れたような、本格的な稼働実績はなかった」(菅藤副部長)という。先例がないなかでの選定作業にあって、白石部長らが重視したのは、プラットフォーム環境としての信頼性の確保と将来性である。

 最終的にVirtageを選んだ理由を白石部長は、「オープンシステムにおいて、仮想化ソフトを導入することでシステムの複雑さが高まることは自明。それを解決できるのは仮想化技術に強い技術者になる。しかし、発展途上の技術分野に特化した技術者を利用企業が抱えることは、企業にとってもその個人にとってもリスクが高い。それだけに、仮想化がハードで実現されているほうが得策と判断したため」と話す。

現場を業務に集中させる

 順調に稼働する情報系のサーバー統合環境をベースに、丸紅はプライベートクラウドとしての位置づけを強化していく。

 これまでに、仮想化環境の一論理区画の基本料金と、CPUとメモリー、ディスクの使用容量によって従量課金するクラウドの料金体系(タリフ)を設定済み。サーバーのオーナーである事業部門に対し、クラウド環境への移行を提案している(図2)。すでに、サーバー環境としては6サーバーを追加しており、2010年度にさらに30台弱のWindowsサーバーを移行させる計画だ。

図2●サーバー統合で大きな成果を得た丸紅の情報システム部門は今後、コンピュータリソースと併せてITスキルが高い人材の供給源になることを目指す
図2●サーバー統合で大きな成果を得た丸紅の情報システム部門は今後、コンピュータリソースと併せてITスキルが高い人材の供給源になることを目指す

 プライベートクラウドが現実味を帯びてきたことで白石部長は、「これで、事業部門などの現場をサーバーハードやデータベースソフトなどの調達業務から解放できる」と意気込む。「ITに詳しくない現場の担当者がITそのものの調達を検討することは、当社のコア業務ではない」(同)からだ。

 情報企画部の役割についても、クラウドの運用だけでなく、「現場の業務をITの視点をもって見直せる人材の供給源としての機能を強化する」(白石部長)。この役割を果たすことが、3カ年計画のテーマの一つである業務の高度化・効率化を達成するための必要条件であり、経営層の期待も高いためである。

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