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日経情報ストラテジー

業種 東京急行電鉄
PASMOの利用情報をオフピーク奨励に活用

田園都市線で混雑率1ポイント緩和狙う

2010/01/04
清嶋 直樹=日経情報ストラテジー
東京急行電鉄の「早起き応援キャンペーン」の利用イメージ。特定時間帯に改札口を通過するとクーポン券をもらえる
東京急行電鉄の「早起き応援キャンペーン」の利用イメージ。特定時間帯に改札口を通過するとクーポン券をもらえる
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 東京急行電鉄は、ICカード乗車券「PASMO (パスモ)」の利用履歴データを活用して、朝のピーク時の混雑率を下げるための「早起き応援キャンペーン」を2009年12月1〜18日に実施した。利用客にPASMO固有の番号(ID)と携帯電話のメールアドレスを登録してもらい、早起き奨励と、その効果の検証に役立てるというものだ。ICカード乗車券から得られる個人の利用履歴データ(ライフログ)をオフピーク通勤・通学の奨励に役立てる工夫は珍しい。

 今回のキャンペーンは、ピーク時の混雑率が特に高い田園都市線(中央林間駅〜渋谷駅)で実施。田園都市線沿線には渋谷方面に向かう通勤・通学者が多数居住しており、ピーク時間帯の混雑率(7時50分からの1時間に渋谷駅に到着する列車の平均乗車率)は2008年度で193%と首都圏で最悪レベルにある。

 同社では、田園都市線のバイパス路線といわれる大井町線のダイヤ増強などで混雑緩和を図ってきた。だが、2007年度から2008年度にかけての混雑率緩和はわずか5ポイントにとどまった。「ハード面の対策はやり尽くした」 (鉄道事業本部事業統括部事業推進課主査の佐藤乙依氏)という。建設工事などに数百億円を要するハード面の対策とは異なる、ソフト面からの対策を模索する必要に迫られている。

早起き利用者に携帯クーポンを発行

 今回のキャンペーンでは、まず利用者には事前にPASMOに固有の番号(ID)と携帯電話のメールアドレスを登録してもらった。そして、混雑ピーク前の時間帯にPASMOを使って自動改札口から入場すると、数分後に携帯電話にクーポン券が配信される。

   このクーポン券を使うと、「朝定食50円引き」などの優待を受けられる。優待対象は、吉野家やドトールコーヒー、フィットネスクラブのティップネス(東京都千代田区)、東急直営の語学教室「東急セミナーBE」の都心部の店舗とした。

 キャンペーンには5000人近くが登録した。ピーク時間帯の乗客(2008年度で約8万5000人)のうち、5000人が別の時間帯に移行すれば効果は大きい。 「元々早起きしている人も含まれていただろうが、登録者の1割の500人が早い時間帯に利用してくれるだけでも混雑率は1ポイント下がる」 (佐藤主査)と期待を寄せる。

 今回のキャンペーンはまだ終了したばかりで、その効果をPASMOのID情報に基づいて検証している。期間中(2009年12月1〜18日の平日)だけではなく、期間前や、期間後の数週間の列車利用状況も追跡調査して分析する予定だ。

 今回のキャンペーン実施に要した情報システム投資はほぼゼロだという。子どもがPASMOを利用した時に保護者の携帯電話に改札通過情報をメール配信する「エキッズ」という有料サービス用のシステムを流用して実現した。

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