物流大手のバンテックは、2010年4月にERP(統合基幹業務)システムで得られる情報を経営管理の高度化に役立てるための社内組織、BICC(ビジネス・インテリジェンス・コンピテンシー・センター)を設置する計画を明らかにした。

 BICCとは、BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールや統計学について豊富な知識を持ったスタッフが利用部門に情報活用を促進したり、高度な分析を代行したりする機能を持つ組織のことだ。他社ではNTTドコモや東レ、日本コカ・コーラなどでBICCに相当する専門部署を設立した例がある。バンテックでは自社のBICCを「BICI」(ビジネス・インテリジェンス・コンピテンシー・イニシアチブ)と呼ぶ方針だ。機能横断チーム型の組織になり、中核のメンバーは経営企画部や経理財務部、情報システム部の社員からなるという。

 同社は2009年4月に、独SAP製のERPパッケージをアビームコンサルティングの支援を受けて導入済みだ。同年4月1日にグループ再編を実施し、持ち株会社であるバンテック・グループ・ホールディングスを存続会社として、自動車部品物流を中心としたバンテックと、航空・海上輸送を得意とするバンテックワールドトランスポートが合併したのに伴い、ERPパッケージを導入した。

 同社でCIO(最高情報責任者)の役割を担う執行役員の加松哲夫情報システム部長は「BICC設立の主な狙いは、PDCA(計画・実行・検証・見直し)サイクルを回すのに必要なKPI(キー・パフォーマンス・インジケーター、重要業績評価指標)の数字を各事業部門の責任者が迅速に把握できるようにすることだ」と説明する。