安全保障上の輸出管理に関する情報を提供している安全保障貿易情報センター(CISTEC)は,有償会員向けのWebシステムの構築にクラウド・サービスを採用した。IaaS(Infrastructure as a Service)として提供される仮想マシン上に,会員に配信するPDFデータのアクセス制御を行うシステムを構築。仮想マシンが動く物理サーバーを他社と共用するタイプのサービスで,安価に利用できる利点があった。サービスは2008年9月に開始し,約300社の会員が利用している。

 配信するPDFデータには,輸出管理で参考となる情報などを掲載する。会員がWebシステムからダウンロードしたPDFデータを開こうとすると,PDFビューアのAcrobat Reader/Acrobatがログイン情報の入力を促し,それをクラウド上のアクセス制御用サーバーに送信する。認証されるとPDFデータが復号化され,閲覧が可能になる。輸出管理情報は定期的に更新されるが,古くなったPDFデータはアクセス制御用サーバー上で失効状態に変えることで,その後の閲覧を禁止できる。その場合会員はCISTECのWebシステムにアクセスし,最新のPDFデータをダウンロードする。

 CISTECの岩崎健氏(総務企画部 参事)は「サーバーを置く場所もないし,管理する技術者もいない。システムは資産として持たず,できるだけサービスとして利用するのが原則だ」と話す。

■変更履歴
記事掲載当初,タイトルと本文において,CISTECが提供している情報を「輸出可否の情報」としていましたが,正しくは「輸出管理で参考となる情報」の誤りでした。また,輸出管理情報は「2カ月ごとに更新」としていましたが正しくは「定期的に更新」でした。以上,お詫びして訂正します。 修正点は反映済みです。[2009/11/25 13:50]