ダイエーは2009年10月に店舗業務改革の体制を強化した。同社は2008年3月に西見徹代表取締役社長直轄で「店舗オペレーション再構築プロジェクト」を立ち上げ、2009年3月に営業グループに移管して取り組んできた。今回の体制強化で、専任メンバーは立ち上げ当初の14人から12人に減るものの、店舗を巡回するオペレーションスーパーバイザー19人が兼任で加わった。レジのシステムや発注業務など現場に詳しいメンバーを加えることで店舗運営の見直しを急ぐ。

 同プロジェクトの主なテーマは2つある。1つは人材配置の最適化による生産性向上。既に売り場横断で清掃や補充を担当するオペレーション課を設立するなどして実現を図っている。

 もう1つは食品の品質管理の徹底だ。2008年9月から「クオリティーチェッカー」と呼ばれる専任者を配置する制度を導入した。クオリティーチェッカーは、厨房内の衛生管理状況や清掃状況、売り場に並ぶ食品の鮮度、消費期限表示、賞味期限表示などを確認する。専任者が外部の専門機関などのチェック項目を用いて実施する。2009年3月にはダイエー全店に配置を完了した。資本・業務提携しているイオンのクオリティーキーパー制度を参考にした。衛生面では社内の担当者による検査のほか、グループ会社の消費経済研究所の店舗衛生検査チームによって半期ごとに全店舗を対象に抜き打ち検査を実施している。