コスモ石油は2009年10月16日から同11月8日までの約3週間、同社が毎年発行しているCSR(企業の社会的責任)報告書についてのアンケートをインターネット上で実施している。回答してくれた人に代わって、100円をコスモ石油エコカード基金に寄付する。自社のCSR活動をより多くの人に理解してもらい、意見や感想を集めるのが狙いだ。

 自社のCSRをアピールするため、コスモ石油はネットベンチャーのDFF(東京都中央区)が運営する「アンケート募金」に参加した。利用者はまず、DFFのサイトで会員登録する。DFFはクリックするだけで無料で募金ができる「クリック募金」のサイトを運営しており、訪れる人は社会問題に意識が高い。クリック募金はスポンサーとなる企業が社会貢献活動をするNGO(非政府組織)などに、利用者に代わってクリック回数に応じて寄付する仕組みだ。

 アンケート募金の会員登録をした人は、DFFのサイトでコスモ石油の「サステナビリティレポート2009」を読み、その後で数問のアンケートに答える。すべて答えると、コスモ石油は自社が運営するコスモ石油エコカード基金に100円を寄付する。利用者はアンケートに1回しか回答できない。

 同基金は、コスモ石油のカード会員からの寄付金と、コスモ石油グループの売り上げの一部を基に、気候変動による被害が予想される地域を支援する「ずっと地球で暮らそう。」プロジェクトを支援している。

 多くの企業はCSRの報告書を冊子にして無料で配布したり、ウェブ版を公開したりしながら、自社の活動について情報発信している。しかし、多くの人には中身を読んでもらえていないのが実情で、冊子に感想や意見を求めるアンケートを挟んでもなかなか回答を得られない。

 同様の悩みを抱えたコスモ石油が取り入れたのがDFFが運営するアンケート募金だった。「100円の寄付はCSR報告書を読んでいただいた人へのお礼と考えている。目標の募金額は設定していないが、様々な意見をいただけるので社内にフィードバックしていく」(コーポレートコミュニケーション部CSR推進室)という。