ソニーが2009年9月末までに主要な部品調達先560社の半数以上と取引を停止したことが明らかになった。この560社は2008年度の購入金額で上位にいた企業だ。今後も取引を継続する企業には、より多くの量を発注するが、納品価格の引き下げに協力してもらう。同社は、全部で約2500社ある部品調達先を2010年度末までに1200社まで減らすことによって、年間2兆5000億円の調達コストを2010年3月期に2兆円まで削減する方針を2009年5月に発表していた。

 調達先を絞り込む指標は、追加コストダウンへの貢献度、価格競争力や品質や技術などの総合評価、生産量の増加に対応できる供給能力という3つだ。これに沿ってすべての調達先をAからDの4つに分類する。

 A分類に該当するのは、3項目を高いレベルでクリアする企業である。ソニーはここに分類した企業への発注を増やしていく。B分類の企業に対しては、1年間の期間限定で発注を止める。C分類に属すのは、今後新たにサプライヤーとして取引を始める企業である。D分類の企業に対しては、期限を定めずに発注を停止する。

 今回の新指標は2009年4月に新設した調達本部が定めた。これまで各工場や事業本部が別々に行っていた調達業務を同本部に集約した。高野瀬一晃・調達本部本部長は「調達改革には以前にも取り組んだことがあるが、事業部間に横軸を通すこれほどの規模のものは初めてだ。背水の陣のつもりで取り組んでいる」と語る。