若い女性に人気の衣料品ブランド「セシルマクビー」などを展開するジャパンイマジネーション(東京都中野区)は2009年8月、商品管理や販売管理、経理、人事などの基幹システムを全面刷新する。同社が基幹システムを根本から見直すのは、実に30年ぶりのことだ。同時に約110カ所にある店舗のPOS(販売時点情報管理)レジも新型機に入れ替える。

 ジャパンイマジネーションはセシルマクビーが大ヒットしたこの10年で、売上高が2倍の200億円規模に成長した。従業員も1000人弱まで増えた。会社が急拡大しながら社内の組織やマネジメント体制が規模に追いつけていないことに危機感を感じていた木村達央代表取締役社長は全社の仕組みを抜本的に見直そうと、2年前から業務改革を実施してきた。改革の3年目に当たる2009年は仕上げとして、基幹システムを刷新する。システム投資額は数億円になる。

 先行して、営業系のMD(マーチャンダイジング)システムだけは2008年8月に刷新しており、商品企画から販売計画の立案、仕入れ、店舗展開といった一連の業務プロセスを見直した。計画と実績の差を追いかける在庫シミュレーションも、新しいMDシステムで実施している。

 店員の作業負担を減らして接客に集中できるようにするため、商品の発注数量をシステムが自動計算して店員に提示してくれる推奨(リコメンド)発注の試行も2008年8月から始めている。アパレル業界では四季ごとに異なるMD政策を採用するため、丸1年の利用実績が蓄積できる2009年8月を待って推奨発注を本格展開する予定だ。

 若い女性の「ファッションの聖地」といわれる都内の商業施設SHIBUYA109(東京都渋谷区)にセシルマクビーの旗艦店を持つジャパンイマジネーションはこれまで、最短で2週間という短サイクルで新商品を投入していく商品開発力や、顧客の憧れであるカリスマ店員の接客で業績を伸ばしてきた。2009年夏には基幹システムを刷新し、現場の情報武装も進めることで、競争の激しいSHIBUYA109内での勝ち残りを図る。