大成建設が導入するプロジェクトNetの画面例。施主が作業プロセスを随時閲覧できる
大成建設が導入するプロジェクトNetの画面例。施主が作業プロセスを随時閲覧できる
[画像のクリックで拡大表示]

 大成建設は2009年4月末をメドに、建築プロジェクトの企画や施工のプロセスをネット経由で施主などに開示する文書管理システム「プロジェクトNet」を稼働させる。大規模プロジェクトや、技術的に複雑な案件が主な管理対象。インターネット経由で進ちょくを見える化することで、顧客満足度を高めるほか、業務効率化にも役立てていく。

 同社は2003年から施工工程の関連文書を施主や設計事務所、工事現場などの間で共有するシステム「作業所Net」(関連記事)を運用してきた。だが、施工だけでなく、その前後の工程管理を求められる案件が増えているため、今回のプロジェクトNetは管理対象の工程を広げ、より多くの関係者の閲覧を想定して機能を追加した。追加投資額は約2000万円。

 例えば施工前では、法規制対応や、許認可申請、研究部門による技術な検討結果などの情報を共有できる。施工後は、設備の試運転結果や運転の訓練状況などの情報を共有する。大成建設側の技術者だけではなく、施主側の法務担当者、研究開発担当者など様々な関係者が利用する。

 こうした施工前後に発生する図面や契約書類、許認可書類などの文書を一元管理し、関係者がインターネット経由で随時閲覧できる。閲覧履歴の記録や、文書更新の自動通知、遅延している作業の一覧表示といった機能も備える。施工前の工場設備の図面などは機密情報に当たるため、暗号化通信やアクセス管理といったセキュリティー機能も充実させた。

 特に管理対象として想定している案件は、医薬品や電子部品といった分野の工場や研究施設など、構造が複雑な建物の工事だという。