競技運営支援システムの画面
競技運営支援システムの画面
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 新潟県は、RubyやPostgreSQLなどのオープンソースソフトウエアを使って開発した障害者スポーツ大会の競技運営支援システムを採用した。2009年10月に実施する第9回全国障害者スポーツ大会「トキめき新潟大会」で活用する。システムは2009年1月から稼働を開始しており、同年5月に開催するリハーサル大会に向け、選手の登録作業が進んでいる。

 大会の競技運営は開催県が毎年変わるため、その業務知識の継承が難しく、従来、システムは特定の国体ビジネス専門ベンダーが随意契約で毎回システムを受注していた。従来システムはクライアント・サーバ方式で、大会事務局内で利用を想定しており、情報の授受がフロッピーディスクや紙などにより人の手を多く介す必要があった。これに対して、今回開発したシステムは、Webアプリケーションであり、全ての情報をインターネットにより発生源で入力できる。選手団の参加登録や開催地での競技結果入力、一般からの結果照会も可能となった。競技規則などを極力システムに取り込みメニューから選択できるようにすることで、煩雑な入力をシステム側でサポートし、作業の簡素化と入力ミスの削減が見込める。

 新潟県では、より高機能なシステムを従来と同程度の価格で調達できると判断、プロポーザルによる調達を実施した。開発コストは約1600万円で、新潟県によると従来システムとほぼ同程度だという。

 システム受注したのはBSN アイネット、ウイング、ネトニーの3者(いずれも本社新潟市)で構成する「Rubyジョイント・プロジェクト」。「Rubyジョイント・プロジェクト」は、財団法人にいがた産業創造機構が「IT事業ジョイント・プロジェクト支援プラットフォーム」の実証事業として推進していたもので、県内IT産業の高付加価値化を目指し、新技術・新分野に取り組もうとするIT企業の共同体に対し、関係機関や専門家等と連携して支援するもの。調達に当たり「ジョイント・プロジェクト」構築のコーディネート(企業間調整及び協定書や機密保持誓約書等の雛形提供)、Ruby技術者の育成支援、プロジェクト運営上の支援(業務監査支援) などを行なった。

 開発したシステムは、「ジョイント・プロジェクト」の代表企業であるBSNアイネットのデータセンターに設置し、インターネット経由で利用する。今にいがた産業創造機構では新潟大会以降の開催県にもASPサービスとして引き続き提供できるものと期待している。

 「IT事業ジョイント・プロジェクト支援プラットフォーム」では、2008度に関係機関や専門家等を委員とした研究会を立上げ、新たな共同企業体の仕組みや組織化の進め方、運用などについての指針策定作業を行った。具体的な契約書類の雛型などと合せて「ITJP標準ガイドライン」として公開を予定している。

■変更履歴
タイトルを「新潟県、OSSを使った『全国障害者スポーツ大会』を採用」としていましたが、「新潟県、OSSを使った『全国障害者スポーツ大会』競技運営支援システムを採用」と訂正しました。 [2009/3/31 16:41]