クボタは、自社ホームページ内に探検家の紀行文と写真で構成する特設サイトをオープンさせることによって、自然と環境を重視する企業姿勢の訴求に取り組んでいる。サイト名は「KUBOTA GLOBAL JOURNEY(クボタ グローバル ジャーニー)」である。2008年6~9月にその第1弾として、著名作家のロバート・ルイス・スティーブンソン氏が「宝島」を書き上げた数年後に太平洋へ旅立った足跡を追う「七年後の宝島」を同サイトに掲載。2009年2月には、有名な昔話の起源に迫る「桃太郎の川・海・山・空」を公開した。

クボタ秘書広報部広報室の山崎方義広告シニアスペシャリスト。手前は探検家で作家の高橋大輔氏の主な著書

 クボタのホームページ内にはもともと、田んぼや米に関する特設サイト「くぼたのたんぼ」、同社ラグビー部を紹介するサイト「クボタスピアーズ」など、企業ブランドの形成を目的とした4つの特設サイトがあった。2009年1~2月にリサーチ会社に依頼して既存の4サイトとの比較をオンラインインタビュー形式で調べたところ、「見てもらった時の反応がダントツに良かった。手ごたえを感じた」と秘書広報部広報室の山崎方義・広告シニアスペシャリストは語る。

 紀行文の執筆と写真の撮影を担当した、探険家であり作家でもある高橋大輔氏にとって、宝島や桃太郎にまつわる旅行記は以前から暖めていたアイデアだが、書籍化に至ってなかった。つまり、クボタ グローバル ジャーニーに掲載した旅行記は“新作書き下ろし”なのだ。それが無料で閲覧できるのだから、特に高橋氏のファンにはたまなく魅力的なコンテンツだろう。

 このサイトは「探検家の書斎」をイメージしてあり、閲覧するテーマを選ぶ際は本のイラストをクリックする。古い本をめくるようにサイト上の紀行文と写真を楽しむデザインに仕上がっている。各章の最後まで読み進めると、2006年に策定したクボタの企業スローガン「水と土と空と、人のために。」や商品情報などを掲載するページにつながる。