20代後半の若者を主なターゲットとするショッピングサイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するスタートトゥデイは2009年3月11日、アパレルメーカーが運営するショッピングサイトの支援事業を新たに開始した。同日オープンしたビームス(東京都新宿区)の「BEAMS Online Shop(ビームスオンラインショップ)」が同事業の第1号ユーザーである。

 ビームスは従来、スタートトゥデイのZOZOTOWNにある仮想ショッピングモールの中だけで仮想店舗を開設してきた。今回のBEAMS Online Shopは、利用者から見るとZOZOTOWNとは何の関係もなく、ビームスの自社サイトの中に存在する。ビームスが自社サイトで20近い全レーベルの商品を販売するのは、今回が初めてだ。

 しかし“裏側”から見ると、ZOZOTOWN内のBEAMS店とBEAMS Online Shopは商品在庫を同じ物流拠点で共有し、リアルタイムで注文商品の引き当てをしている。つまり、ビームスは販売機会ロスを抑制できる。

 このショッピングサイト支援事業は、スタートトゥデイにもメリットが多い。同事業による増収だけでなく、ZOZOTOWNを支える人材と施設の有効活用になる。ビームスの欠品と販売機会ロスを低減することは、商品が売れるたびにスタートトゥデイが得る手数料収入の増加にもつながる。スタートトゥデイは現在、さらに数社とこの事業の利用交渉をしている。

 スタートトゥデイは今回、BEAMS Online Shopのサイトデザインの制作とシステムの開発を手掛け、さらに商品在庫の管理、物流、電話とメールによる顧客サポートを代行している。スタートトゥデイとビームスは互いの在庫管理システムを連携させており、スタートトゥデイの物流拠点「ZOZOBASE(ゾゾベース)」にある商品在庫が減ると、ビームスから商品が補充されてくる。ZOZOBASEに届いた新商品は、スタートトゥデイの社員が撮影と採寸をして、サイトに掲載している。
 
 東京証券取引所マザーズ上場企業であるスタートトゥデイの2009年3月期決算は、売上高が対前年度比21.1%増の104億円、経常利益は同20.6%増の21億円と、大幅な増収増益になる見込み。ZOZOTOWNを含む総合ファッションサイト「ZOZORESORT(ゾゾリゾート)」の登録者数は2008年12月時点で約117万人、1年以内に1度でも買い物をした登録者が約41万人いる。その平均年齢は27.7才である。