写真1●「ASKUL DESKTOP 2」の利用画面
写真1●「ASKUL DESKTOP 2」の利用画面
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 オフィス用品通販大手のアスクルは2009年2月、同社の取扱商品の購入支援ツール「ASKUL DESKTOP 2」の無償提供を開始した。2008年9月から提供していた「ASKUL DESKTOP」の新版で、使い勝手や動作速度を改善しただけでなく、発注担当者と部員が社内ネットワーク経由で備品購入についてやり取りできる「みんなで調整メモ」機能を新たに搭載した(写真1)。

 小野俊克e-ビジネス e-エクスペリエンス・デザイン部長は「職場の備品購入プロセスを観察すると、部員が購入したいものを付せん紙などに書き、それを発注担当者に手渡して伝えていることがよく見られる」と開発の背景を説明する(写真2)。ASKUL DESKTOP 2を利用すると、こうしたやり取りを社内ネットワーク上で完結できる。

写真2●アスクルの小野俊克e-ビジネス e-エクスペリエンス・デザイン部長

 これにより、紙のメモをやり取りする無駄を減らせるほか、調整メモによって購入する備品のリストをまとめた後、すぐに同じツールで注文に移れるようになる。また、複数の部員が同じ商品を注文する場合の重複を防いだり、あるいは相乗りさせたりすることにも役立つ。事務作業の簡単な打ち合わせなど、備品購入のやり取り以外に利用しても構わない。

 アスクルが購入支援ツールにこのような共有メモ機能を搭載したのは、「企業内個人との接点を確立したい」(小野部長)という狙いがあるため。同社はこれまで直接の取引相手である発注担当者と良好な関係を築けてきた一方、担当者に注文を依頼する企業内個人との接点はほとんどなかった。ツールを通して企業内個人にもアスクルのブランドを浸透させることで、購入頻度が高まることを期待する。

 ASKUL DESKTOP 2には購入商品の幅を広げてもらう狙いも込めている。伊勢丹や無印良品といった、アスクルが取り扱う商品ブランドのロゴをツール上に表示しており、これらのロゴをクリックすると、各社の広告とアスクルが取り扱っている商品を表示する仕組みにしている。これにより「企業内個人が各ブランドの商品を当社で購入できることに気づけば、注文する商品の幅が広がるのではないか」と小野部長は読む。