多くのアパレルや小売業が減収減益を予想するなか、快進撃を続ける企業がある。総合ファッションサイト「ZOZORESORT」を運営するスタートトゥデイだ。2009年3月期の売上高は前年同期比21.1%増の104億円と見込む。「高感度ファッション」と見なすブランドを多数集めたサイトは若者の心をつかむ。移ろいやすい市場で勝ち残る秘訣は、物流業務とIT業務の内製化の徹底にある。

 スタートトゥデイの「ZOZORESORT(ゾゾリゾート)」は高感度を切り口にした総合ファッションサイトだ。前澤友作社長が高感度ファッションと見なした680のブランドの衣服やバッグなどを販売する「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」をはじめ、全国の高感度ショップを検索できるサイト、若者のあこがれのファッション関係者のブログを集めたサイト、仮想マンションの体裁を取るSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などで構成。登録会員数は100万人を超え、男女比率は半々、平均年齢は27歳だ。4割強が1年以内に買い物をした経験を持ち、平均年間購入金額は5万円強に達する。

 スタートトゥデイの強みは「ターゲット層と同じファッションの嗜好を持つ経営陣とスタッフが、『格好いい』『かわいい』と自ら思う形でショッピングサイトを矢継ぎ早に機能強化し続けてきたこと」に尽きる。弱冠33歳の前澤社長は「サイトのデザインやコンセプト、品ぞろえのセンスが受けて、高感度ファッション分野で独占的地位を築いている」と分析する。この戦略を支えるのが、情報システム業務と物流業務の内製化の徹底だ。

●スタートトゥデイの会社概要
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