首都圏を中心にスーパーマーケットを展開する成城石井は、物流システムと受発注システムを刷新する。3月にドライ、4月にチルドの新物流センターを稼働。ドライ、チルドの取引先との受発注を4月に新EDIに全面移行する。次世代EDIの規格「流通BMS」を取り入れたことが特徴である。

 システム刷新は、同社の成長戦略の一貫である。大久保恒夫 代表取締役社長は「出店スピードを上げるために情報システムの強化、人材育成に力を入れてきた」と説明する。新システムの導入により在庫のコントロールを強化するとともに、取引先との受発注業務の効率化を図る。

 物流システムは、日立物流ソフトウェアが提供する仕組みを利用し、既存システムをカスタマイズして用いる。
 
 新たな受発注システムでは、流通BMSに準拠したEDIが可能である。システム構築に当たっては、データ・アプリケーションが提供する流通BMS対応のEDIパッケージ「ACMSシリーズ」を採用した。成城石井側には、データ連携基盤製品「ACMS E2X」を導入。取引先は、日本ラッド情報が販売するEDIパッケージ「WinWin-EDI」を導入して成城石井と受発注業務を行う。WinWin-EDIは受注データから出荷データを自動作成し、同梱されている流通BMS対応のクライアント・ソフト「ACMS Lite」でデータを送受信する。

 同社の取引先は中小規模が多いことが特徴。取引先約550社のうち約350社とはこれまでもEDIを行ってきたが、その内容はJCA手順と独自のWeb-EDIによる取引が半分ずつ。入力作業が煩雑といった問題があり今回、流通BMS準拠の受発注システムに切り替える。

 受発注の精度も高める。従来は少数の取引先から納品データをもらっていたものの、ほとんどの取引先は発注データのみだった。新EDIでは納品データや受領データに加え、支払いデータもEDI化する。受発注システムの切り替えについては昨年8月から取引先へ説明を実施、11月から接続テストを行ってきた。
 
 

■変更履歴
新たな受発注システムをWeb-EDIとしていましたが,EDIです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/02/05 11:00]