「プラウド」ブランドの分譲マンションや一戸建てを手掛ける野村不動産は2009年1月から、同社が運営する会員制住宅情報サイト「プラウドクラブ」の会員増を図るユニークなネットイベントを始めた。ネットイベント名は「プラウドフォトCMコンテスト」。利用者参加型のネット広告コンテストである。利用者が旅先などで撮った風景写真6枚をアップロードしてキャッチコピーを入力すれば、BGMと「プラウド」のロゴが挿入された30秒間の動画CMが自動的に完成し、即時にウェブサイト上で公開される。

 応募は同年1月19日から2月15日までの期間限定で、プラウドブランドイメージが高まると評価されたCMには賞品を出す。応募時に「プラウドクラブ」の会員に同時入会したほうが、賞品がもらえるチャンスが増える仕組みになっている。既に同年1月末までに約150本の動画CMが公開され、多いもので5000回以上再生された。

 同社は、効果が持続しない新聞折り込みチラシ広告を抑え、インターネットで長期的に見込み顧客との関係を築く手法に力を入れる方針だ。ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを通じて口コミを広げる手法も検討したが、「不動産は広告に関する法規制が多く、一般の人に自由に宣伝してもらいにくい」(住宅カンパニー業務部営業企画課の市川明典課長)。そこで、写真とキャッチコピーを投稿してもらって即座に動画を生成する話題性で、口コミを盛り上げる方法に行き着いた。「利用者の投稿を通じてプラウドブランドのメッセージを波及させられる。写真だけを投稿してもらうフォトコンテストよりも印象に残りやすい」(市川課長)

 今回のネット広告に取り組むに当たり、リクルートが開発した動画広告自動生成ツール「コマーシャライザー」(関連記事)を採用した。プラウドクラブの会員は約14万人で、同社の住宅購入者(年間5000人前後)のうち、同会員が2~3割を占めるという。