パルコの子会社でオンラインショッピングモールや顧客向けのメールマガジン発行などを手掛けるパルコ・シティ(東京・渋谷区)は「ペルソナ」を用いて、ショッピングサイト「PARCO-CITY」の利用者像の確認に取り組んでいる。ペルソナとは、定量的・定性的な情報を基に構築する架空の顧客像だ。詳細なプロフィールを作り込むことで顧客への共感を深めたり、顧客像を共有して担当者間の意思疎通を容易にしたりする。近年、ペルソナをマーケティングに用いる企業が増えている(関連記事1関連記事2関連記事3)。

 PARCO-CITY利用者のペルソナ構築は2008年9月、マーケティング・コンサルティング会社のライフメディア(東京・港区)が担当した。同社は46万人のモニターから調査に向いた属性を持つ人を選び出し、オンラインでインタビューを行ってペルソナ像を作り上げる「ペルソナ・アイ」というサービスを提供している。手間のかかるインタビューにオンラインを使うことで、短期間でコストも低く抑えて実施できるのが特徴だ。

 パルコ・シティ向けに構築したペルソナには「田中理央さん」という具体的な名前を付けた。ペルソナシートと呼ばれる資料には、年齢や職業、住所、仕事、趣味などの設定が細かく、分かりやすく記されている。「趣味は海外旅行。大学時代から年に1~2回は友人と様々な地域へ旅行しています」といった具合だ。

 パルコ・シティの守永史郎取締役は「想定していた顧客像とほぼ同じ。具体的な設定を作り込み、1枚の紙にまとめることで、分かりやすさが生まれる。サイト構築に携わるメンバーで共有していく」と話す。今後のウェブサイト運営の参考にしていくという。